Marketing i's [マーケティングアイズ]

マーケティングはサイエンス(科学)に基づいたアート(芸術)である

売り上げの8割を占める優良顧客を逃さない方法 利益を伸ばすリテンションマーケティング入門 大坂祐希枝著

リテンションマーケティング、サブスクリプションのエンゲージメントをどうつなげていくのかということに関して、事例をもとに、マーケティングのセオリーを自社でどう展開していったかということについて書かれている。

そもそも、優良顧客にずっとファンでいていただくという事は、当たり前のことだが非常なことだ。ドラッカーの言うところの、顧客の創造とは、ファンを作り続けていく仕組みからと私は理解している。

一方で、どうしても事業主の方で新規顧客を獲得したいということを第一の目標にしてしまうことがよくある。もちろんそれはある意味、正しいことなのだが、獲得した顧客を維持するということに関しての努力を忘れてしまうことが多い。

本来は、新しく顧客になった方々に、より良いサービスを継続的に提供することで長くファンになってもらうことを目指すべきだ。そしてそのファンの方々が、満足度を高めるごとに、口コミで広がっていくというのがドラッカーの言うところの、顧客の創造だ。

著者は、wowowに女性取締役として初のマーケティングトップになった方とのこと。そして、業績としては四年連続顧客減から、12年連続顧客増を達成したという、成果もしっかりと出してる方だ。

事例では、就任直後に振り返った際に、無料配信デーの設置が目当てだったり、自社のことへの理解が薄い代理店から流入した新規顧客は、やはり解約も早くしているということをまず事実として突き止めた。そしてそこからが、この方の努力の始まりだった。詳しくは本に書いてあることなのであるが、一つ一つが自社のビジネスに当てはめてみるができる内容だ。

私の場合でも、クライアントに対して、この本から提案できる参考になることが多くある。

例えば第3章に書かれている、解約する人のペルソナを期間ごとに作成するという点だ。

通常ペルソナと言うのは、顧客を獲得するときに全社一丸このような人をターゲットとしようという意思統一のために作られることが多い。しかし、これはある意味逆転の発想で、当時のwowowでは、なぜ解約するのか、お客様が何に不満を持っているのか、このようなタイプのお客様にそもそも自社サービスをおススメしていいのか、という発想がここに見られる。こういった、通常のアプローチと違う事はなかなかできるものでは無い。特に、wowowのような大企業では、組織の壁がこのような新しいアプローチを阻むことがある。しかし、この形は、顧客の美味しそうしっかりと捉えている事、そしてそれが理論武装されていて組織を動かす力があったこと、また実績がこの変革を可能にしたのである。

これ以外にも、わかっていたつもりだがわかっていなかった事が多く書かれていることと、それがご自身の実務体験に沿って書かれているため、とても腹に落ちやすく使える内容になっている。

マーケティングの重要さを知りたい人、のみならず、すべてのビジネスパーソンにお勧めしたい一冊だ。

マーケティング コンサル タント 理央 周(りおう めぐる)


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