Marketing i's [マーケティングアイズ]

マーケティングはサイエンス(科学)に基づいたアート(芸術)である

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カテゴリ:「経営」の記事

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琉球アスティーダの奇跡 早川周作氏著〜スポーツチームと企業のマネジメントの共通点

プロスポーツで日本で初めての上場、
しかも創設3年目でチームを日本一にした早川社長の本、
ということで読んでみた

この本は、この本は、ビジネス、そして、
経営と照らし合わせて読んでみると、
見えてくることが多い。

たとえば、この業界の常識を打ち破る、
という章に、
「最初は2位でいいだろうと思っていた」
というくだりがある。
著者は、ビジネス上の経験からそう思っていたが、
アスリートは違っていた、
という内容だ。

私も世界業界2位の会社に入社し、
「うちの会社は、1位のP社に追いつけないから、
2位を確保しよう」
という戦略を、イギリス本社のマーケティングトップから聞いた時に、
大きく落胆したものだ。

自分の常識は世間の非常識。
ということが、よくあるという教訓になる。

業界の常識を打ち破るという章には、
「選手獲得はスピーディー、そしてラフに」
というくだりがある。

スピード持って意思決定をすることが重要なこと、
そして、ラフの方は「いい加減」という意味ではなく、
100点を待つより60点でGoという意味だと解釈した・
「選手を、徹底的に信頼する」
という内容と合わせて、
この内容は、組織の作り方にも通じる

そして、スポーツビジネスにお金が循環するという章では、
ビジネスモデルの作り方と、
ファイナンス、資金調達の観点で照らし合わせてみることができる。

投資家が見ている「3つのポイント」も興味深いし、
未来を見るの章も、企業のビジョン設定に共通する。

面白かったのは、
拠点として初めて借りたアパートのところ。
部屋の質やゴージャスさよりも、
実を取るという点が、
私が在籍していた時期の創業期のアマゾンと通じる点だ。

この本は、単なるスポーツチームの成功物語ではない。
スタートアップ、新規事業立ち上げの際の心構え、
特に、新しいことに挑戦し続ける姿勢が、
変化の時代の経営者にとって大きな参考になる1冊だ。

マーケティングアイズ株式会社 代表取締役
関西学院大学 経営戦略研究科 教授

理央 周(りおう めぐる)

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トップも知らない星野リゾートフラットな組織文化で社員が勝手に動き出す前田はるみ氏著

トップも知らない星のリゾート.JPG

2022年、最初に読もうと思った本が、
この「トップも知らない星野リゾート フラットな組織文化で社員が勝手に動き出す」だ。

ここのところ幸福経営、ティール組織といった次世代マネジメントの考え方が台頭している。
そんな中で、一部では、テイラーイズムを始めとする科学的管理法に疑問を投げかけている。
その背景には、幸福経営と数値管理は相反するものだと考えているからのようだ。

私がこの本を読もうと思ったきっかけは、このあたりにある。


帯にある通り、現場の発想が会社を変えたというテーマで貫かれた、星野リゾートのさまざまな業態のホテルでの10の事例が描かれている。事例はそれぞれ、社員の方々が顧客にとって何ができるかについて、自社のサービスを突き詰めていくといったことが、失敗と成功談として書かれているのだ。

第1章の、「勝手に決める社員たち」の中では、
全員で顧客満足を考える、
またサービスはいちど作って終わりではない、
自分の得意分野で活躍すれば良い、
と言った事例が、ライブ感のある描写で、
生き生きと仕事をしている様が描かれているのだ。

企画マンとして仕事をしてきた私は、
ネガティブな発想や、意見の否定からは、
新しいアイディアや、
顧客のためになるサービスが生まれないと思っている。

次々と打ち手が出てくる星野リゾートにおいて、
チームや社員のモチベーションが高く、
やる気になり、ポジティブになっていればいるほど、
良いアイディアは湧き出てくる。

これらの星野リゾートでの事例が、
異なる業態において、どのようにして生まれて、
実践されているのか、という思いで読み進めてみた。

一方で、社員が幸せだったら、それが売り上げにつながるのか、
競争力の強化につながるのか、
新しい企画の打ち手が当たることにつながるのか、
「そんなに単純なものなのか?」
という疑問も若干湧いてくる。

売り上げの目標やKPIの設定といった数値での管理がなければ、
単なるどんぶり勘定、成り行きでのビジネス、
形になってしまうからだ。

私のこの疑問に対しての答えは、巻末にあった。
星野リゾートの星野社長の解説が腹に落ちた。

まずここで星野社長は、
フラットな組織がサービス業では特に重要である背景には、
消費の即時性があると言っている。

サービス業では顧客を目の前にビジネスをやっているので、
社員が接客した瞬間に消費が完結する、という意味だ。

なので、顧客と社員の間に、経営者が介在することができない。
ということはすなわち、その瞬間、瞬間の経営判断は、
接客する社員一人一人が瞬時に行う必要がある、
というのが星野社長が言っている意味だ。

本にも書かれている通り、
Moment of Truth=真実の瞬間と呼ばれている、
マネジメント、マーケティングの考え方だ。

この真実の瞬間で何ができるのか、
が、競争力の源泉になる。

真実の瞬間で、適切な判断ができるようになるには、
社員1人1人の判断が決め手になり、
モチベーションが高いほど、
その質も比例して上がる、
ということだ。

そして、以前はモチベーション上げるのは社員の責任であったが、
今は、仕組みを作ることにおいて、経営者が社員のやる気を上げる責任がある、
と星野社長は言っている。

この経営者の技術、エンパワメントスキルがまずは重要なのだ。

このようなフラットな組織を作る事は、
まずは経営者が「組織をフラットにするのだ」と覚悟することから始まると断言している。

そのフラットな組織とは、
組織図の中での階層がなく平らな組織という意味ではない。

社員同士が、相手の立場や役職に関係なく、
言うべきことをしっかりと言える組織とのこと。

逆に言うと、社長を始めとした、
管理職と言われている人たちが、
「えらい人信号」を少なくしていくことが大事だという。

さらに、フラットな組織を維持するためには、
社員間の「情報格差を減らす」ことだ。

この解説から先に読んで事例を読むと、
改めて星野リゾートの社員が自分たちでの判断でビジネスを進めているということが、
よりはらに落ちる。

次世代組織マネジメントに今のところ成果がない、
というのが私の持論だ。

なぜならアメーバのように刻一刻と変わっているからだ。

ただし私の中で1つも正解に近いものが見えてきている。

それは論語と算盤。すなわち心の経営と、ビジネスモデルの構築や数字の見える化等の店合理的な考え方を、
いかにバランス持って経営に活かせるか、という点だ。

その意味でも、多くのビジネスパーソンに読んでもらいたいを1冊だ。

マーケティングアイズ株式会社 代表取締役
関西学院大学 経営戦略研究科 教授

理央 周(りおう めぐる)

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だから僕たちは、組織を変えていける:これからの組織、経営、ビジネス、マーケティングのあり方を見つめ直す1冊

だから僕たちは、組織を変えていける.JPG

「だから僕たちは、組織を変えていける〜やる気に満ちた優しいチームの作り方」読了。
斉藤徹氏が、ソーシャルシフトの次に何を見せてくれるのか?
という期待に、見事に応えてくださった。

世の中、ここ数年で大きな変化が起こっている。

コロナは言うまでもなく、ITは年々形を変えて進化しているし、
DXもまったなしだ。

変わっているのは、技術的なことだけではない。
ITで便利になり、容易にコミュニケーションがとれるようになるにつれて、
仕事や日々の生活も変わってくる。

今のZ世代に代表されるように、人々は共感を重んじるようになったし、
優しさの大事さにも目覚めてきている。

ともなって、日々の仕事に対する向き合い方も、
「私」すなわち、"自分"を見つめる重要性に気づき、
その時間も増えたことで、
自分を見つめ直したいという気持ちが強まっている。

マーケティングのエリアも、この大きな変化に伴って、
大きく変わっている。

約20年前のソーシャルメディアの登場で、
マーケティングコミュニケーションも大きく変わった。

これは、広告の打ち方や集客の方法が変わったという、
表面的なことではなく、
本質的な「人」の行動と価値観が見える化されてきた、
ということだ。
(このあたりは、斎藤徹氏のソーシャルシフトに詳しい)

特にマーケティングの大家、フィリップコトラーは、
著書マーケティング3.0で、「マーケティングそのものが企業のやめ、顧客のため、そして社会のためのものに変遷している」(意訳)と書いている。
コトラーのマーケティングマネジメントで育った私にはこの本を読んだときに「コトラーがスプリチュアルなことを言っている」ことに大きな驚きを感じたものだった。しかし、直感に優れている経営者から当時このマーケティング3.0を読み「理央さんの解釈でこの本の言おうとしていることを解説してほしい」と依頼されたものだった。

この辺りから経営、ビジネスの考え方が加速度的に変わってきている。

そして、それはまさに斉藤徹氏が言うように、
パラダイムの変化なのだ。

たとえば、ティール組織に代表される考え方も、
組織のあり方・マネジメントとしてのパラダイムの変化だ。

そして、いち個人の考え方としては「ライフシフト」が代表的な事例だろう。
ビジネス・パーソンとしての"自分"を取り巻く、
いろいろな変化に対する判断軸の基準(個人におけるパラダイム)も、
大きく変わったことの現れだ。

ほんの20年前までは、米国発の「合理主義的、MBA的発想」で市場を制することが経営・ビジネスの本流だった。それを考えると、大きな心理的、精神的な変化だ。

私はこのMBA的なアプローチが間違っているとは思っています。ただ、このティール組織やホラクラシーのような考え方が出てきた中で、皆多くの人は、一人ひとりの思いやりや優しさを見つめ直しつつあるにも事実だ。幸福経営の考え方はその最たるものだと感じる。

ここに、私がここ最近感じていることがある。

優しさと強さは両立するのか?
数字の追求と、理念の徹底は相反するものではないのか?
論語と算盤はどちらが正しいのか?

私には、マーケティングと経営において私のメンター、師匠である方に言われたことがある。
「あなたのマーケティングはとても優しい考え方だ。
そしてそれは、今成果を出している人がもっと成果を出すのに向いている。
しかし、マーケティングは競争の理論だ。
なのでそれが全てに当てはまるとは限らないよ」
ということだ。

市場は基本的には競争だ。
これは資本主義である以上、変えようのない事実だ。
市場で、優しくしようと思っていたら、淘汰されている。

しかし、利益だけを追求し合理主義を徹底すると、
社員の幸せが目減りし、社員や経営者、ひいては顧客や社会に貢献もできなくなる。

と考えているうちに、今回のような大きな変化にともなって
ティール組織などの優しい形が重要だという流れになってきて、
競争と、優しさは両立しないのではないか、
というジレンマにさいなまれる。

しかし、斎藤氏のこの本を読んでいると、
そのを、体系的に一連の流れで、しかもとても理にかなった説明で語られている。
それも、主観的ではなく客観的に。

例えば、冒頭にあるVUCAの議論を、いま重要とされているOODAループにどうやって止あてはめめるのかといった説明や、斎藤氏が以前提唱してきたデジタルシフトからソーシャルシフトに移行し、今そしてこれからはヒューマンシフトになっていく、というくだりなども、事例とともに明快に説明されているので腑に落ちた。

私は、市場での競争とは、ライバルを蹴落とすことではもちろんなく、
市場という魔物と戦うことだと思っている。
魔物とは、予測がつかない不確実性や複雑性、あいまいさといった変化のことだ。
マーケティングは、この魔物と戦うための武器なのだ。
だから、ちょっっとでも油断していると負けてしまう、
ということを肌感覚で30年以上実感してきた。

それを踏まえて私は、「時代にマッチした経営手法、マーケティングをしていくことが重要だ、
というとっても本質的な点に立ち返ればいい」と解釈した。

理念と数字、どちらが大事だという二者択一ではない。

私自身が考えすぎていたのだ。
それによって、ずっと感じていた「論語と算盤」のジレンマが、スッと解消されたのだ。

そういう意味では、ビジネスパーソンが「優しさもって成果を出す」ための大きなヒントになる一冊だ。

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2025年を制覇する破壊的企業 山本康正氏著

すでにコロナ後の新常態については多く語られているが、まだまだ未確定な部分は多い。

そんな中で、経営コンサルタントとして、大学教授として経営者の方々からいただく質問が、
「コロナで今までのやり方が通用しなくなりました。
取引先への訪問もままなりません。今すぐ手を打つのは何をすればいいでしょうか?」
といった、短期的な施策に関する問題と、
「コロナ後の新常態に、どう備えればいいのでしょうか?」
といった、中長期的な問題に対して、どう備えるべきかということ。

経営者として重要なのは、短期も中長期的な戦略も、どちらも手を打たなければならない。
すぐにできることは、手を打つ。
そして、1年3年くらいのスパンでやるべきことに関しては、
今の時期から手をつけておかないと、間に合わないのだ。


その意味で、3年先、5年先を考えることは重要だが、
一方で「そんな先のこと、わかるわけもない」と考える人たちも少なくない。

私も、3年先の事実が今わかっている人なんて1人もいないと思う。
しかし、3年先に起こりうることを想定して、今できる準備をしておくことは誰にでもできる。

不確実で、リスクの多い近い未来を、どう扱えるかは準備にかかっているのだ。

未来を考える上で、自分で事実情報を収集し、志同じくする仲間と話をすることで、
徐々に未来が見えてくるものだ。

この本はそういった事実情報のパーツを提供してくれる1冊だ。

GAFAやマイクロソフトへの展望ももちろん、
今話題になっているスタートアップ企業の、現在の状況とこれからどんな事業を、どの分野に広げていこうとしているのか、などが筆者の視点で書かれている。

読み進めていると、やはり新聞やネットニュースなどの1次情報とはまた違う角度からの視点が興味深い。

著者が、どのような視点で11社の事例をピックアップしたか、に注目すると、
これから私たちが何を考えなければならないか、が見えてくる。

たとえば、
これからは検索後の世界から、検索前の世界になる
テスラは電気自動車だけの会社ではなく、環境問題の解決をミッションに掲げていること
といったことから、私たちベンチャー企業が考えるべき点、持つべき視点が見えてくるのだ。
それはとりもなおさず、「視点を転換しなければならない」ということ。
常識とは偏見のコレクション、とはよくいったもので、新型コロナウイルスの拡大によって、皮肉にも多くのパラダイムが大きく変わってきている中で、必要なことだ、と再認識できた。

中でも、第2部に書かれている「顧客、ブランド、流通チャネル、業界の知見、ロジスティックス、サプライチェーン、ITインフラ、お金(資本)」の8つのうち、顧客とブランドの構築以外の6つの要素はアウトソースできる時代になった、したがって大資本が必ずしも必要な要素ではない、という点。

この辺りについて、中小企業、ベンチャーそしてスタートアップ企業がどう捉えていくのか、
どんな手を打つのかを考えていくべきだろう。

顧客の創造、すなわち市場の把握からの未顧客獲得、そしてその維持、
そして、企業やプロダクトの独自性、イメージ、品質の向上の、
2つに関しては、マーケティングの分野になる。
ここを強化していくことが必須の時代になった、ということだろう。

自分の視野を広げる、という意味でも役に立った1冊。
経営者、事業部門の責任者、企画担当の実務家にオススメの一冊です。

マーケティングアイズ株式会社 代表取締役
関西学院大学 経営戦略研究科 教授

理央 周(りおう めぐる)

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【決定版】2000社の赤字会社を黒字にした社長のノート危機を生き抜く思考法 Final 長谷川和廣著


新型コロナウィルスの危機の中、企業経営者が何をするべきか、
今の現状と見つめ、方向性を打ち出し、危機を乗り越え生き抜くために何をするべきか、
と、悩んでいる経営者多いはず。

私のメンターでもある、トップコンサルタントの長谷川和弘氏の最新作、
ということで、早速読んでみた

先日出させていただいた、長谷川先生の勉強会である、
ニュービジネスサロンで、先生がご説明されていた通り、
ひとことで言うとすれば、この本はまさに表紙の裏側に書いてある、
「復活のチャンスは足元に転がっている」という点だ

これまでの、長谷川先生の著作を私は何冊も読んできた中で、
どの本にも共通するのが、経営者としてのあり方と、戦略の立て方、
そしてそれらを、日々の経営の中でどう実践するかというステップ。
その根幹に流れている「経営者が経営に対してどう向き合うのか」という芯は、
この新刊においてもぶれていない。

ただ、この新刊においては、
今の不確実で、曖昧で、予測が不可能な新型コロナウィルスの蔓延する社会情勢のなかで、
どう経営の舵取りをしてべきか、敏感に危機を感じとり、どう対処していくべきなのか、
にフォーカスして、これまでの長谷川先生の考えがまとめられている点が、
付加されいてる点が、さらに使える内容になっている。

特に、こレまでにもあった危機の中でどんな企業が生きのびてきたのか、
そういった企業にはどのような経営者がいたか、
という点を自分化できる。

企業存続の選択肢は、続けるか、やめるか、売るかの3つしかない。
存続してきた企業は、好業績に浮かれず業績悪化の際は全力で利益を取りにいく、
もちろん簡単なことではないので、続けるには相当な胆力が必要である、とある。

そして、社長が、情熱、熱意、執念を持ち、社員にもそれが伝わっていること、
長谷川先生はこれを、これが1つの生きる会社と消えていく会社の決定的な違いだと言っている

一見、当たり前のように聞こえるかもしれないが、
このことを「言い尽くされた簡単なことだ」と思ってしまうのは、とてももったいないことだ。

再生できない会社の多くは、総じてが業績回復への情熱がなく、経営者と社員のモラルが低い、
さらに企画力や営業力が弱く、人材の活用が下手な企業だということ。

そしてもう一つ、私のエリアでもある、売り方との改革について、
第4章にある企画力とマーケティング力強化のマネジメントしていく点だ。

私にとって、長谷川先生がメンターなのは、マーケティングについて真のマーケティングを教えてくださった点だ・

先日の勉強会の時に、たまたまエレベーターでお会いしたときに、
長谷川先生が、「理央さん、この本はあなたのために書いたようなものです」とおっしゃって下さった。

私には、とても嬉しかったが、とっさにはその意味がすぐにわからず、勉強会に臨んだ。
勉強会の中で先生は、「理央先生のいうマーケティングとは、今成功している企業、
あるいは波に乗っている企業のためのマーケティングですよね。
しかし、この不確実な情勢の中、生き残ることさえ困難な業界にいる企業も多いのが事実です。
そういう場合には、理央先生の考え方がは当てはまらないこともある。
マーケティングとは、競争の論理です。
したがって、勝てる売り物を作らなければ、世の中では生き残れないのが事実だ」
とおっしゃった。

私の目から鱗が落ちたことは言うまでもない。
この本でもはっきりと書かれている、困難な業界の企業、
企業の歴史と文化によってすぐには再生不可能な企業にとって、
マーケティングは、手法でもなければ事業戦略でもない、
経営者の取り組みと、組織への浸透、そして社員を変えることで、
会社を変えることなのだ、と気づかせていただけた。


その意味でも、102ページは「マーケティングは企業の生きる力」なのだ、というてん。
そしてさらに、105ページの「ビジネスパーソンの9割は、マーケティングの真の意味を知らない」
という金言にもつながってくる。
企業によっては、「マーケティングは、危機を脱するための方法」と言うこともできるという部分だ。

このように私は毎回、長谷川先生の勉強会に出させていただくたびに、
新たな気づきや発見をいただくことができるのだが、
この本新刊についても同じことだった。

今一度、マーケティングを本当の意味で、マーケティング活動を行う真の目的、
なぜ企業がマーケティングをしなければいけないのか、
という事に対して改めて考えることをさせていただいた1冊にもなった。

今、経営者が読むべき一冊だ。

社長のノート Final

マーケティング プロデューサー
理央 周(りおう めぐる)

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