Marketing i's [マーケティングアイズ]

マーケティングはサイエンス(科学)に基づいたアート(芸術)である

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カテゴリ:「顧客中心主義」の記事

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吉野家のメニューに学ぶ値引きからの脱却

久しぶりに吉野家に行きました。
もともと、牛丼の中でも好きな味なのでたまに食べたくなるのです。


吉野家を好きな理由の1つが、吉野家の「こだわり」です。
いまだに、食券の販売機を置いていないのは、
お客様に直接注文を聞くことでこそ、
お客様とのコミニケーションが取ることにつながると考えているからです。
自販機をおいてはそれがなくなってしまう、というポリシーとのこと。


また、メニューも、新作やバリエーションはあるものの、
「牛丼」そのものからは大きく離れません。


私が会社員時代、通販の仕事をしていた時に、
吉野家の冷凍牛丼セットを販売していました。


その時の購入特典に、吉野家の丼を景品としてつけたくて、
交渉しましたことがあったのです。そうしたら、
「あれはお店に来た方が召し上がっていただく時に、
お店で見てもらえるものなのです。」
というような旨を、
ご丁寧に回答いただいたことを覚えています。
この辺からも、お客様を大事にすることへのこだわりが感じられます。


ということで、久しぶりの吉野家で見たのが、
「俺の吉野家 この食べ方が、1番うまい!」と題されたメニュー。
吉野家の経営陣と商品開発部長が、
それぞれの「好きな食べ方」を推薦しています。


まず、吉野家ホールディングス会長の安部氏は、
牛皿定食を注文し、卵をかき混ぜ、
牛肉を卵につけてご飯と食べる、
という食べ方を勧めている。これで500円。


吉野家社長の河村氏は、
つゆ抜き牛丼に卵とお新香を注文。
卵をセパレーターで黄身だけ取り出し、
黄身を牛肉に絡めてからお新香にたっぷりかける。
残った白身は好みで味噌汁に入れるとのこと。これで540円。


商品開発部本部長は、牛皿定食をつゆだくで注文し、
卵の黄身をスプーンで押さえて、
白身だけをご飯に入れて混ぜる。
お好みで生姜、七味をかけ卵の黄身に牛皿のタレをかける。
かき混ぜて牛肉をつけて食べる。
残った卵はご飯に入れて卵かけご飯にしても良い。これで500円。


それぞれ、なんとも美味しそうな食べ方です。
私は個人的に、河村社長の食べ方が好きで、
セパレーターで分けて食べたこともないし、
一度やってみたいと思います。


ITの浸透・進化で、生活者の周りは情報で溢れています。
スマホやタブレットなどの進化で情報が取りやすい今、
ユーザーはどんどんわがままになり、
美味しいもの、安いもの、楽しいものに対し、
「目が肥えて」きます。


雑多な情報の中から、
自分にとって大事な情報を選ぶ「審美眼」がついてくるのです。


こんな消費者のわがままこそ、
販売促進のチャンスです。


事業主側がすべきことは、目の肥えたユーザーに、
その上をいく「プロとしての有益時な情報」を提供すること。
これで、その店に行く理由、
その商品を買う理由を提供します。


この吉野家で言えば、牛丼カテゴリートップの吉野家の、
経営陣や商品開発のトップがこだわって作っている、
自社の牛丼の食べ方を、
プロ中のプロが勧めてくれるという、
プロとしてのこだわりがユーザーに選ばれる理由になるのです。


吉野家に学ぶべきは、
プロとしてのこだわりを顧客に「有益な情報」として、
教えてあげることで選択の幅が広がります。
どのような業態にも使えるとても、
有益なメニューの作り方と見せ方です。

そしてさらに下の方には、「#俺の吉野家 であなたの食べ方」も募集中と、共有、口コミ、拡散の仕掛けもあります。

そして、SNSで拡散を狙いながら、顧客の反応を見ることで自社商品の開発にもつなげていくことができる。これこそが、SNS活用のマーケティング戦略なのだと感心しました。

どのような業態にも使えるとても、有益なメニューの作り方、SNSを含めてのマーケティングミックスだと思う。

マーケティング コンサル タント 理央 周(りおう めぐる)


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クリスマスプレゼントをくれたタクシー運転手さんに学ぶ顧客中心主義:顧客視点でいることの重要性

クリスマスプレゼント.jpg

「乗っていただいたお客様に、
クリスマス・プレゼント差し上げてるんです。
この中から、お好きなものをどうぞ」
昨日、家族3人で食事した後、近くの駅から乗ったタクシーの運転手さんが、
プレゼントをくれた。

高2の娘は、イヤーマフラーを選んで大喜び。
家に帰ってからも、一日中楽しく過ごせた。

そもそも、タクシー会社のマーケティングは難しいと思っていた。
それは、乗るほうも運転する方も、お互いを選べないから。

どうブランドしていこう、とか、
ではネットを使って、とか、
LINEやアプリを使って再購入を、
等と考えてしまう。

これらはすべて、手法であり戦術論にしか過ぎない、
ということに、この運転手さんに気づかせていただいた。

ボクも、うちの家族も、
これからきっと、この会社さん過去の運転手さんを名指しして、
なにかあったら、うちに迎えに来てもらうだろう。

この運転手さんは、
「タクシーの仕事を始めたばっかりなんです。
ちょっとでも、楽しんで乗っていただければいいなと思って、
自分で買ってきました」
とのことだった。

「お客様が何をすると喜ぶのか?」
を考えることが、そもそもの基本。

選ばれる商売って、きっとこういうことなんだなと実感。
原点に戻ることができた1日でした。

ありがとうございました!

マーケティング コンサル タント 理央 周(りおう めぐる)


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スターバックスの社会貢献 東北支援のためのハミングバードプログラム


スターバックスが好きでよく行くので、いつもプリペイドカードでかつている。

先日見つけたこちら、ハミングバードプログラムというらしい。

5000円をカードに入金すると、100円の東北支援ができる。つまり、4900円の残高のカードが渡される。


12月31日までは、買った額の1%がスターバックスから寄付される。

このカードがなかなかすぐれもので、
オンラインからの入金ができるし、もちろん残高もオンラインで確認できる。

さらに、複数のカードの残高も統一できるので、
以前あったカードに残っている残高も、集約することができるのだ。

また、もしカードを無くした場合でも残高を保証もしてくれるとのこと。

これは、あちこちに残っている残高を、面倒なくまとめられるという意味でも、
安心感という意味でも、顧客目線のサービスだ。

売り上げと利益だけを追い求めていると、
なかなかできないこの発想。
長く愛されるブランドを構築するのに必要な姿勢である。

マーケティング コンサルタント 理央 周(りおう めぐる)

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アメリカで小さいのに偉大だ!と言われる企業の、シンプルで強い戦略:中小企業の社員教育と理念の実践

ザッポスの奇跡の著者である、ロサンゼルス在住で、ダイナサーチというビジネスコンサルティング会社を経営する、石塚しのぶ氏の新刊である。

もともと石塚しのぶ氏が、提唱されてきた「コアバリュー経営」という考え方をベースにした本で、
コアバリュー経営の定義
実践
事例

という3つの大分類に分けて読んでみた。

すなわち、

コアバリュー経営とは何か
そして実践するにはどうしたら良いのか
具体的に、実践して企業は何をし、どうなったのかという実例

が書かれているため、私たち読者が読んでも非常に再現性が高い。
つまり自分のビジネスや仕事に、応用することができるのだ。

【コアバリュー経営】

まずコアバリュー経営とは、
「価値観を共有する仕組み」であると言っている。

核となる価値観こそが、コアバリューであり、
それをベースに組織をまとめていくということになる。
私が最も共感した点は、「人間主体の経営手法」であると著者が断言している点である。

いくらITが便利になったとは言え、
ビジネスは、「人と人」とが進めていくものである。

私も、経営コンサルタントとして多数の企業と仕事をしているが、
やはり一流の経営者、成果を出す経営者は、
人について悩む。

その理由は、「人は難しい」からである。
一方で、人こそがビジネスでの業績を伸ばしていくための、
最大で最高の経営資源であるという側面もある。

統一された意思のもとに従業員が動き、
顧客の価値を最大化できる人に育てていき、
さらにそれを仕事で実践するというのは並大抵の努力ではできない。

その意味でも、このコアバリュー経営の定義というのは、
企業の大小にかかわらず、必要な考え方であると言える。

【実践事例】
事例は、米国の中小企業を中心に描かれている。
例えば、ザッポスでは、
言うまでもなく顧客をハッピーにするという理念を実践してる夢で企業なのだが、
「顧客を満足にするためならほとんど何をしても良い」
ということであり、

ジョワ・ド・ヴィーヴルでは、ドリームメイカープログラムという制度を設け、
「人喜ばせることにこの上ないやりがいを感じる」社員を多く排出しているとのことである。

ミックスピザ&パブでは、命令ではなく「信頼とフォロー」という、
従業員間のリーダーシッププログラムがあるため、
本質的な信頼などがしっかりと育まれている。
したがって会社が学びの場所になっているいうことらしい。

このような事例をあげているなかで、5社に共通する秘密というのが、
「内発的動機付がある」ことだという。
それがhigh-performanceを生み出していると言っている。

【実践】

そして実践編ということになると、
企業文化に基づく
コアバリュー経営の定義
コアパーパスの策定
共有
という3つのステップで、社内に共有していくというフレームワークで紹介されている。

コアパーパス定義し
コアバリューを定め
それを共有する

といった3段階のステップだと言う。

私も多くの企業見ているが、経営理念やビジョンを掲げていても、
それを実践することがなかなかできない企業が多い。

しかし、このような事例を参考にしながら、
このフレームワークに自社を当てはめていくことで、
自社の理念の浸透に何が足りないのか、を発見することはできるはずである。

アメリカの小さな巨人、スモールジャイアントに事例には大きく勇気付けられた。
私も、コアバリュー経営の考え方を自社のクライアントへのコンサルティングに生かしていきたいと思う。

  

マーケティング コンサルタント 理央 周


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寿司 吉乃 名古屋丸の内その2 お寿司編; 2016年4月13日

美味しかった一連の前菜の次に、本番のお寿司。

お寿司の1つ目はカニ。ほぐしたかにの身に、かにみそが混ぜてある。ものによってはこうやって手の上に乗せて、直接出してくれもいい。

白身のこぶ締め。やはり白身この時期絶品だ。

とりがい。まだ生きていて、握って目の前に置いてくれると、きゅっとしっぽのところが立ち上るのがいい。

僕の大好きな光り物。こはだは、この時期最高に美味しい。ちなみにこれは二日間しめたものだとのこと。

マグロ。ここで食べるマグロはほんとにいつもおいしい最高だ。

巻き海老。縦ではなく横にしてシャリを巻いている。面白い。

だし巻き卵。辛味大根がちょうどいい。

アナゴは五島列島産のものだとのこと。とろとろでふわふわ。

アナゴもういっこ、こちらはカリッと焼いてある。乗せ方が先ほどのモノとは表裏逆。

最後に、鰹節の海苔巻き。この鰹節も、目の前でちゃんとかいてくれる。こういうプレゼンテーションからして、いつもすごくいいと思っている。

毎回来るたびに驚き、次もまた来たくなるこの店。

その理由はまず1つは美味しさ。圧倒的である。

2つ目は、このオリジナリティ。創作の前菜も、懲りすぎていず旬のものを贅沢につかう。鰹節「だけ」のモノまでもが美味しい。

3つ目は、毎回違うプレゼンテーションを見せてくれる。見た目も美味しさの内なのだ。

そして「こだわりの内装」も凄く良い。まな板、カウンターの板、冷蔵庫の板、そして、こちらのシャンパンクーラーまでがヒノキとのこと。

寿司吉乃 ひのきのシャンパンクーラー

このこだわりも、とても素晴らしい。

吉乃さんでの顧客体験の、すべてのフェイズでこの4つが絡み合っている。大将の説明も面白く、自然、会話も弾み、ひいては忘れられない顧客体験ができるのだ。

次に食べに来られるのはまたきっとかなり先。でも行きたくなるのは、こういったすべてが「独自」のものだから。寿司にいこう、ではなく「吉乃さんにいこう」となるのだ。もはや別格。次が楽しみである。

*この日の前菜の記事は ⇒ こちら 吉乃さん前菜

マーケティング コンサルタント  理央 周

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