Marketing i's [マーケティングアイズ]

マーケティングはサイエンス(科学)に基づいたアート(芸術)である

顧客ブランド養成講座
収益を好転させるマーケティングとイノベーション

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ファクトフルネス Factfulness 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣


製品開発、新規事業において、重要なのが、今までの延長線上には無い、新しい発想に基づいたビジネスモデルの開発が期待される。

一方で、新しいことをやれ、と言われてもそうそううまく行かないのが現実でもある。

このような現状を打破するには、過去の成功体験による固定観念に囚われないことが重要だ。

この本では、その思い込みをいくつかのカテゴリーに分け、数字を始めとする事実を持って物事を考えよう、と提起している。

たとえば、繊維の素材産業が、今までのアパレル用繊維ではなく、
新しい分野の、新しい顧客の獲得を狙うプロジェクトがあったとする。

このようなケースでよくあるのは、
経営陣からの「今までとは違うことをやれ」「イノベーションを生み出せ」
という号令のもとに、プロジェクトチームを組み、
課題に取り組んでいく。

そこで、メンバーは技術、開発、生産、営業といった、
これまでの新製品開発の主軸メンバーが招集され、
ブレーンストーミングから、企画会議、営業計画、そして顧客への商談、
といったプロセスで進んでいくことが大半だ。

しかし、これでうまくいくことは、まずない。
なぜなら、既存のメンバーでやるということになると、
これまでの経験から、アイディア出しをすることになるため、
今よりいいものはできるかもしれないが、市場に潜む潜在ニーズを汲み取り、
新しい画期的なアイディアはそもそも出てこないからである。

まず、大切なのは「何ができるか?」から一旦離れることだ。
それよりも、何が流行るのか?10年後はどうなっているのか?
その中で楽しいことな何か?など、
市場や消費者の動向と、彼らが喜びそうなことを出していくことから始めるべきだ。

このアイディア出しの次のプロセスで初めて「何ができるか」を考える。
そこで重要なことは、
「事実に沿っているかどうか」に基づいて、アイディアを削ることだ。
数字や現実に基づいて、劣後順位をつけ、絞り切った上で、
優先順位を決める。

でないと、思い込みによって、プロジェクトを間違った方向に進めてしまう。
事実、数字に基づいて考えていくことを「ファクトフルネス」なのだ、
と私は解釈した。

この本では冒頭から、
「現在、低所得国に暮らす女子の何割が、初等教育を修了するでしょう?」
A 20% B 40% C 60%
といった、13のクイズから始まる。

そして、欧米や日本、アジアなどの国々別の正答率が出ているのだが、
大半の回答が、ランダムに回答しての正答率(例えば、3択の質問であれば33%)
よりも、低い。
私もやってみたが、正解するどころか一番反対を答えてしまう、という有様だった。

それもこれも、各質問からくるイメージに対する、
たとえば、低所得国では初等教育が受けられていないだろう、
といった「思い込み」によるものだ。

事業開発にかかわらず、情報を収集し、分析することの目的は、
「現状を正しく把握すること」にある。
そしてそこから、各情報をつなぎ合わせ、情報が意味する「含意」を導き出す。
この、含意は仮説のもとになるが、含意が正確であればあるほど、
打ち手も正確になる。

ということは、正しい含意を導き出そうとするためには、
ただし情報を集めなければならない。

その意味もで、この本で述べられている「ファクトフルネス」、という考え方は、
重要、を超えて必要なアプローチと言える。

この本では、医師であり公衆衛生学の権威でもある、ハンス・ロズリング氏の、
研究と事例を用いて、第1章から10章まで、
思い込みを10のカテゴリーに分け、
第11章でその実践法についてまとめている。

  • 第1章 分断本能 「世界は分断されている」という思い込み
  • 第2章 ネガティブ本能 「世界がどんどん悪くなっている」という思い込み
  • 第3章 直線本能 「世界の人口はひたすら増える」という思い込み
  • 第4章 恐怖本能 「実は危険でないことを恐ろしい」と考えてしまう思い込み
  • 第5章 過大視本能 「目の前の数字がいちばん重要」という思い込み
  • 第6章 パターン化本能 「ひとつの例にすべてがあてはまる」という思い込み
  • 第7章 宿命本能 「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み
  • 第8章 単純化本能 「世界はひとつの切り口で理解できる」という思い込み
  • 第9章 犯人捜し本能 「だれかを責めれば物事は解決する」という思い込み
  • 第10章  焦り本能 「いますぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み

各章は、事実情報と考え方、そしてその章のまとめとしての定義で構成させているため、
「分厚い学術書」ではなく「体系立てて書かれた実務書」として、
多いに使える内容になっている。

昨年のベストセラーだが、その名の通り内容も濃く、
私も、何度も読み返したりして、読み切るのにあえて、時間をかけた。
それくらい、内容のある本だ。

ビジネスの最前線で頑張る実務家、経営者にぜひ、読んで欲しい、
オススメの一冊だ。

マーケティング プロデューサー
理央 周(りおう めぐる)

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一兆ドルコーチ シリコンバレーのレジェンドビル・キャンベルの成功の教え

「1兆ドルコーチ」というある意味"奇抜な"タイトルのこの本。
一瞬、成功哲学・自己啓発書のように感じた。

普段だったら私はこの手の本を手に取らないかもしれないが、
スティーブ・ジョブズ、エリック・シュミット、ラリー・ページ等々、
シリコンバレーの巨人たちに、共通のコーチでありメンターだった方がいて、
彼らが口を揃えて「ビルがいなければ成功できなかった」と語っている、
という書評を、新聞で読み、どうしても読みたくなったので買ってみた。

まず結論から言うと、今年読んだ本の中で、最も面白く読め、かつ、
今の自分のビジネスに使える本だった

全てが実話に基づいているため、読んでいても腹に落ちる。
シリコンバレーの名だたる経営者たちの話が出てくることもあり、
ビル・キャンベル氏が、エリックシュミットや、スティーブ・ジョブズに、多くのアドバイスをしてきた姿を、
頭の中で想像しながら読むと、その様子を思い浮かべることができて楽しくもあった。

中身はといえば、なるほどと納得することばかりだった。

私も、関西学院大学の大学院で、MBA取得を目指す院生たちに、
また、企業研修においては、次世代リーダー候補の事業本部長や、
部課長のみなさんに対して、マーケティングについて指導している。

その中で、マーケティングを体得するということは、
マーケティングの用語や考え方をしったり、やり方を覚えたりするだけことではない、
ということを、いつも実感する。

マーケティングとは、収益を作る売り上げを作るための計画を作り、
それを実践し、計画通りかそれ以上に成果を出すことだ。
この全半の計画の部分には知識が必要で、後半の実践部分には経験と人間力が必要だ。
そしてこれは、何もマーケットマーケティングや、マーケティングマネージャーだけの仕事ではない。

社員全員が一丸となって、マーケティングマネージャーのリーダーシップの下に、
その計画を実践していかなければ、目指す売り上と利益を達成することができない。
ひいては、社員や顧客の幸福にはつながらない。

したがって、マーケティングとひとことに言っても、
マーケティングマネージャーのリーダーシップの下に、
組織全体を、売り手目線から買い手目線に変えていくことがスタートポイントになる

その意味で、この本でのビル・キャンベルの教えの、
第二章、「マネージャーは肩書でできる。リーダーは人が作る」
にある通り、人がすべてという原則の中に、
この本の読むべき意味が込められている。

全編を通して主張されているのが、企業は人だ、
そしてコーチをする側、コーチングをされる人のお互いへの尊敬、何よりも、
ビル・キャンベルが最も多く使った「愛」という言葉が、この本の本質を表している。

私はこれまで、どちらかといえば経済的な合理性を求め、
右脳でアイデアを出していくよりも、
左脳で筋道立てて考えていくタイプだった。

しかし、同時にマーケティングはサイエンスに基づくアートなので、
理屈では割り切れない人の心、芸術、美しさ、優しさ、
といったようなものを入れ込んで、
最終的には表現をして、消費者や顧客に届ける。

そういった時に、この本に書かれているような、
人への思いやり、優しい言葉、チームをまとめていくための自己犠牲、
といったようなものを、正直に言って、30代中盤位になるまではほとんど考えてこなかった。

しかし、企業での管理職の経験を経て、独立し、
多くの企業経営者や、事業責任者の仕事を通じて、
人を見つめること、上下や階級だけを見て仕事をするのではなく、
ポジションに関係なく水平な目線で、
仕事をすることの重要さが分かってきた。

それが、この本では網羅されているのだ。

私が、これから自社の教育プログラムに入れていきたいと思ったキーワードを上げていく。

  • 人材育成は千差万別に向き合い
  • スピードもってイノベーションを実現するためには、スマートクリエイティブと呼ばれる新しいタイプの人材が必要だ
  • マネージャーは肩書が作り、リーダーは人が作る。そしてリーダーは部下が作る
  • マネージャーは、支援、経営、信頼を通じてその環境を作るべきだ
  • あらゆるマネージャーの最優先課題は、部下の幸せと成功だ(特に響いたのは、89ページにある、ワンオンワンと業績評価のためのビル・キャンベルのフレームワーク)
  • 第一原理(=ファーストプリンシプル)とは、誰もが納得できる普遍の真理、すなわち会社やプロダクトを支えている上の真理でありそれを明らかにしその原理のもとに決定を下すべきだ
  • 規格外の天才は、優先すべきことをわきまえているのが必須条件。おかしな行動が許されるのはそれが会社のためになる場合のみだ
  • プロダクトマーケットフィット(PMF)が必要だ。適切な市場に、適切なプロダクトを、適切なタイミングで開発できたら、すぐやるそのためにエンジニアに権限を与えよ、可能な限り早く出せ。
  • 資料は絶対に先に共有する
  • 自分よりも大きなものに挑戦する
  • 優れたリーダーは時間をかけて成長する
  • ビルが求めたことは、正直さ、謙虚さ、あきらめず努力をいとわない姿勢、常に学ぼうとする意欲
  • 遠い類推ができることが知性
  • ビルが求めた4つの資質は、知性、勤勉、誠実、グリットだ
  • 知性と心の組み合わせがより良いマネージャーを作る
  • 正しく勝利すること、不誠実を許すな

これらの名言を、私自身はらに落として仕事に取り入れていきたいと思っている。

その意味でも、起業家、士業の方々、コーチ系の仕事をしている方、人事・教育部門に従事している方、
そして、全ての経営者に読んでも欲しい1冊だった。

マーケティング プロデューサー
理央 周(りおう めぐる)

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営業はいらない 三戸政和氏著 コロナ禍の今、これから、の営業活動を見直す

営業はいらない、という刺激的なタイトルに惹かれて読んでみた。

マーケティングをなりわいとする意味において、私はよくドラッカーの、「ダイレクトセリングを不要にするのが、究極のマーケティングである」という言葉を引用する。

これは、営業部を減らすとか、営業マンを減らす、という意味ではなく、直接的な売り込みをしなくてもいいように、戦略を立て、広告で周知し、価格設定をし、販路をちゃんと決めて、

顧客とコミュニケーション取ることによって、
自然に売れるようにしていく。と言う意味に捉えている。

その意味でも、営業すなわちセリングは、できるだけしないほうがいい。

まして、このコロナ禍の今、「ちょっと近くまで来たので、寄っていいですか」といった、ドブ板営業が通用しない時代になっている。(私は、ドブ板営業を高く評価している。ドブ板営業が、不要という意味では無いことを、誤解せずに解釈していただきたい)

この本では、営業活動を分解し、特に営業活動の初期でやる、「顧客を探す、またマーケットのニーズから、ターゲット層を絞る、これらの準備をした上で営業する」という一連の流れを、AIやITでカバーできるという論旨で展開している。 

これは全くその通りで、営業活動にマーケティングの考え方を入れて、企業間取引をスムーズにさせようという点において、大いに共感する。

実際のところ、ここ数年で多くのBTOB企業間取引、
法人営業の企業が、マーケティングの重要性について、考え直していると言える。 

ところが、マーケティングは、一般的に消費者向け事業の考え方なので、BtoBの事業体向けのマーケティングのスタイルや仕組みは、それほど多くの学問的にも体系化されていない。

 したがって、理論やフレームワークも、BtoBで普遍的に使えるもの、という意味では、少ないのだ。

そのため、BtoB企業の多くの経営者や営業責任者は、「マーケティングが営業にも必要だが、
どこから手をつけていいかわからない」という悩み、ジレンマを抱えているのが現実だ。

この本では、大上段から、営業はいらなくなる、と主張している点も、ITでの効率化をしっかりと考えた上で、最終的に営業マンがどこに向かうのか、を明確に示しているため、これからの営業活動を考えていく上で、多いに参考にできるのだ。 

企業間取引での営業活動だけは、
うちの会社が一番だと自負がある、経営者、営業責任者が読むことによって、
「今の営業組織をどのように変えていけばいいのか、
将来目指すビジョンをどう社内に示すか」
を明確にしていく上で、参考になる一冊だ。

マーケティング プロデューサー
理央 周(りおう めぐる)

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業界破壊企業 第二のGAFAを狙う革新者たち 斉藤徹氏著作〜新規事業、新製品開発の参考になるビジネス書


新規事業を起こしたい、既存の事業の延長線上には無い発想を出せる組織にしたい、
とにかくイノベーションに関わることをやりたい、
という課題を持つ経営者は多い。

COVID19の感染拡大、GAFAの台頭など、
日本企業が閉塞感を感じる要因が多く、
このようなニーズが増えている事実は、ここ数年続いている。

私もこのような依頼を受け多くの企業に入り、新規事業創発や新製品開発に携わってきたが、
それらができるかできないかを決めるのは、
多くの場合、知識の量や技術力によるものではなかった。

もちろん、新規事業を起こしていく上で、事業計画の作り方や、
KPIの立て方、効果測定方法、業界内外の知識など、学んでおくことは必要だ。

しかし、それだけでは十分ではない。
アイデアを発想する力を、何とかして実現しようとする担当者たちの人間力と、
それをある程度のところまで容認できる、経営者の包容力が必要だった。

知識や技術力のような「要素的な要因」と、
人間力や包容力のような「情緒的な要因」の2つが必要なのだ。

この本では、タイトルにある通り、既存の業界の常識を破壊し、
新しい市場を作ってきた、スタートアップカンパニーや、
テクノロジーで将来を期待されるユニコーン企業を取り上げ、説明している。

それも、ただ単に事例の紹介ではなく、
プラットフォーム、ビジネスモデル、テクノロジーという、
3つのカテゴリーに分けて説明している。

これによって、この本をアイディアやビジネスモデルの型を知り、
自社のビジネスのヒントにでき、
イノベーションや企業に関する理論や時々事業の作り方を学ぶことができる。

私が参考にできた企業の1例は、
第3章にある、ビジネスモデルによる業界破壊企業の事例で、
MOOCというコンセプトの節だった。

MOOCとは、大規模に公開されたオンライン会議 massive open online courseの略で、
その企業事例Udacityという企業が紹介されている。

私は自社でのマーケティング・スクール事業を「リアル対面式」で、
アクティブラーニングの形式で行ってきた。

しかし、COVID19の世界的なパンデミックによって、
リアル対面の講義ができないこともあり、このような教育をオンラインでやるモデルを構築している。
このMOOC企業の代表格である、UdacityとCourseraが作り出したオンライン教育のトレンドは、
単純なネット活用でのオンライン講義、というだけではなく、
いかにして質の高い教育を提供できるか、
そして、ビジネスとして成立させていけるか、という意味で大きな参考になった。

まずはこのような形で、読み手にとって「使える内容」になっている。

また、第5章には企業をどのように始めるのか、
そのために何をするべきかということを、
著者独自の視点とその経験で説明している。

まず、業界破壊をリードしているのはミレニアル世代であること、
新しい時代のビジネスの価値基準はサスティナブルであること、
イノベーションの方程式をリーンスタートアップであることが説明されている。

特にリーンスタートアップの時に、創業者が何をし、投資家とどのようにコミニケーションをとり、
スタートアップから徐々に成長していく各段階において何をすれば良いのか、
を5つのステージに分けて書いてあるところが参考にできる。

特にリーンスタートアップで重要なのは、
「とにかくやってみる」そしてやりながら方向転換(=ピボット)をしている、という点。

歴史ある大企業にとって、最も「できない」のがこの点だ。
ここを容認できる責任者、経営者がいる企業は強い。

これらの考え方は、スタートアップから企業拡大するまでということに関してのみでなく、
企業の中に新しいビジネスとして新規事業を立ち上げる時にも、参考になる考え方だ。

最後のところでハッピーイノベーションの部分が、著者の真骨頂だと言えると思う。

私はこの著者の本は、ソーシャルシフト、リブートに続いて3冊目読んだ本である。

また、以前書かれていたブログの世代からのファンとして、
斉藤氏のコンテンツに説得力がある理由は、
自身で体験されてきたこと、特に、成功談だけではなく、
ご自身を成長させた(と書かれている)失敗談がに迫力があり、説得力につながっている。

この本は、その意味でもスタートアップ、起業家が参考にするだけではなく、
大企業内での新規事業開発に関しても、大いに参考になり一冊だ。

マーケティング プロデューサー
理央 周(りおう めぐる)

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「なぜか売れるの公式」~マーケティングの基礎の基礎を事例と理論で解説

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成功するセラピストビジネスの教科書 鈴木幸代著


私はこれまで、研修講師として、またセミナーや講演をご依頼される中で、
数多くのセラピストの方々とお会いしてきた。

その時にいつも感じるのは、
フリーランスとして「悩んでいる人々を助ける」とても重要な仕事であるということ。

一方で、私もフリーランスなので感じるのだが、
決して楽にビジネスとして成立できるかどうか、となると、
そう簡単ではないことが多い。

その時に、何が必要なのかと考えると、
セラピストとして、ビジネスとしての「基礎を固める」ことが重要だ、
ということに行き着く。

セラピスト、コーチ、カウンセラーの方々に対して、
以前、マーケティング道場と称して、3回での研修を依頼され、実施したことがある。

その時に感じたのは、セラピストの方々に対する、
「教科書」があれば、この研修が終わってからも、
中身を振り返り、レビューし、繰り返し学ぶことができる、
と痛切に感じていた。

その意味でも、この本はセラピストの方々がバイブルのように、
いつも常に手元に置き、迷ったら振り返り、レビューし、
忘れかけてきたことを思い出しながら、
自分のビジネスを成功につなげていく、
教科書になり得る。

この本の特徴は、自身もセラピストである著者が、
セラピストが収益を上げ、実際にやったことを成果に結びつけ、
稼ぎ、儲けるところまでになるためには、
「何をすればいいのか」「その時に考えておくべきことは何か」
が網羅されていることにある。

そして、他の一般的なビジネス書にある教科書的な本と異なる点は、
この本がセラピストに向けて書かれていることである。

もう一つの特徴は、書いてある内容を実際の読者のビジネスに落としこんだときに、
「何をすると効果的なのか」「売り上げにつなげるには何が必要なのか」
を、ワークシート的な内容も含めて、
具体的に書かれている点にある。

そして、それが故に、読者が読んだ後に、すぐに使える本として成立している。

例えば18ページに書かれている、PDCAサイクルについて、
最も重要なのは、Pすなわち計画のみに終わらず、
Dを、「とにかくすぐにやる」という点。

私も研修ではこのことを口を酸っぱくしているが、
PDCAではなく、PPPPと計画を立てるだけで終わったり、
PD PDとやりっぱなしで終わったりする方々多い。

この激しく大きく動きが変わる世の中で、スピード持って実践することの重要性を書いている。
セラピストの方々は、特に、1人でビジネスをやっていることが多いので、
スピード感持って、素早く実践することが成果を出すには必須なのだ。

その先に書かれている、「行動の先には成功しかない」というような、
セラピストを勇気づける文言にも、著者らしさが出ている。

私も著書には懇意にさせてもらっているが、
この方の特徴の一つは、右脳と左脳のバランス感覚が優れている点だ。

女性としての感性の豊かさに加えて、混沌としたことをロジカルにまとめていく整理能力も、
合わせて兼ね備えている。

そして、いつも驚かされるのはその行動力だ。

自身もセラピストとして苦労してきて、また仲間のセラピスト達を見て感じたことなのであろう、
日本プロセラピスト協会自ら立ち上げ、日本全国を行脚し、
日本中のセラピストを元気づけている。

それは、ひいてはそのセラピストたちの向こうにいる、
日本全国のセラピストのお客様全員を、元気にしようという思いが、
その行動に現れている。

この本には、セラピストとしての考え方だけではなく、
自身がセラピストとしてやってきた経験に基づいた、失敗や成功の事例から成り立っている。

したがって、セラピストの人が実際読み、プロとして成果を上げ、
収益を上げていくためには非常に使える本になるであろう。

その意味でも、セラピストのバイブル、として有用な一冊になる。

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ハーバードビジネスレビュー2020年6月号ABテストで成長を加速させる実験する組織


この厳しい状況の中で、組織の成長を促進させるポイントは、
試行錯誤の繰り返しによるスピードを持った新製品の開発、新規事業の開発」のほかならない。

その意味において、今回のハーバードビジネスレビューの特集は興味深い内容だった。

まず、巻頭の対談が、野中郁次郎氏と入山章栄氏の対談。
困難な時代を乗り越える今こそ、知の作法を身につけようというテーマだ。

野中郁次氏のSECIモデルの創造理論に対して入山氏の考えとをぶつけ合うような対談内容がとても面白い。

中でも、「学生もビジネスパーソンも独自の理論やモデルを構築すべき」との章の中で、
日本の経営理論をビジネスパーソンがどう捉えるべきか、
そしてその中から、ビジネスパーソンは仕事を遂行し成果を出すために、自分のポイントを持つべきだと、
お二人の視点から話しているところが興味深い。

また、形式論理ではなく、知を作る作法を学ぶ必要があるというのも、今の若手リーダーに必要なポイントだ。

特集のまず1つ目、「ビジネス実験を重ねる文化が企業を成功」に導くではブッキング.comの急成長の理由を解説している。

この中には

  • 権限が多いが、新しいルールを首脳陣に守らせる事は簡単ではない
  • 一番給料の高いものの意見ほどあっという間にイノベーションを窒息させる
  • 実験は民主化すべき

といった、実際の実験思考に当てはめられる内容であった。

また、経営者として実験組織を成功に導くのは、
大規模なテストの本質は技術ではなく文化的な問題でありそれを丸ごと受ける姿勢が必要があるということ、
さらに、自分がいかに間違っているかを常に突きつけられるような毎日の中で、どこまでそれを受けられるかということであった。

コンサルタントとして、新規事業開発のプロジェクトを受諾するときには、
その組織の新しいことに対する柔軟度を見極めさせていただいてから、プロジェクトに入らせていただくことにしている。
これは、意識改革から始めなければイノベーション新規事業の成功に導けないからである。
その意味でも、成功に導く要因には深く共感した。

また、デジタルガレージの試行錯誤に戻る新規ビジネスを高速で会話する実験型組織の作り方の記事も興味深い。

実験型組織の特徴と大企業型組織の特徴を比較している表がチェックリストとして使えそうだ。
中でも、やり方としては

  • 試行錯誤できる砂場の環境を作る
  • 期限を設ける
  • 必要最小限の製品を作る

など、デザイン思考につながる考え方が理解しやすく、ビジネスに取り入れることができそうだ。

また、「デジタル思考と好奇心、グロースマインドセットを育む変革型"CLO"がの未来を開くの記事の中では、
社会人として、ビジネスパーソンとして、このデジタル世界で不可欠なスキルを学ぶリーダーを育てるにはどうしたらいいかということが書かれている点が目についた。特に、デジタル法と対面とデジタルの融合の比較は非常に学びが多いと思われる。

企業な人なり、とは旧来から言われ続けてきたことだが、この進展が急な今の時代、どう育てれば良いのか分からない経営者が多い。
そして、それは当たり前のことなのだ。
なぜなら、正解がないからである。

そこで、試行錯誤、すなわち実験を繰り返し、正解に近づける努力をしていくことが肝要となる。
その点を学ぶヒントになる一冊だ。

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数学的に考える力をつける本 本質をつかむ/考えがまとまる/説明上手になる 深沢真太郎氏著


大学教授として、また企業研修の講師として、私は常々数字でものを考えるということと、
考える力をつけるという2点に対して、非常に重要だということを説いてきた。

数字でものを考えるという事は、ビジネスパーソンには必須のことだ。
曖昧な思考を曖昧なままで議論などを進めていくと、曖昧なままで終わる。

これはビジネスにとって、とてもリスクの高いことだ。
数字を使い、客観的な視点でものを語れば、その場で共通認識が得られる。
これはレポートや報告書等でも同じことだ。

営業職や会計職などでは、数字で語ることやその方法はわかりやすいが、
比較的数字を使うことが少ない、人事やデザインといった職種でも同じことがいえる。

次に「考える」という点について。
世の中、必要な情報や知識はどこででも収集することができるようになっている。
なので、知識の量や情報の量が多ければ良いか、というわけではなく、
したがって、生産性の高い仕事につなげることができない。

大事な事は、自分が持っている知識や情報の中から、
いかに多くの気づきを得ることができるかどうか、
そして、気づきを工夫しながら仕事の生産性アップにつなげていくことができるかどうか、が重要なのだ

この一連のプロセスが「考える」ことだと私は思っている。

ちなみに「考えることについて考える」というテーマで深沢氏と対談をさせていただきました

この本では、この「数学的」に「考える」という、
2つの要素がドッキングされている点がとても良い。

著者は、まず数学を「コトバの使い方を学ぶ学問」だと定義している。
共感したのは、主役は計算ではなく「コトバ」であるという点だ。

マーケティングに関してもこれは同じことで、
実際に顧客や消費者に触れる場合の広告やコミニケーションは、
言葉とイメージで構成されているからだ。

次に、「考える」とは「構造化する力である」と定義している。
そして、構造化を検証するということが考える力の仕組みだと言っている。

構造化と言うことに関してはマーケティング活動でも異常に共通する部分がある。
市場を細分化したり、その中からターゲットを選んだり、自社のポジションを決めていったりとするようなことが、
マーケティング活動における構造化である。

これらのプロセスででできた数字を検証して、より良いものにしていくのが、PDCAサイクル。
日常的にやってることなのだ。

そして最後に「最初に大前提をしないと物事がうまく進まない」と言ってい。
これは私が冒頭に述べた「定義をする」という事と同じことだと思う。

その意味でも、マーケティングや企画職の方々のみではなく、
学生やすべての営業職人事部採用担当経理の人たちにも読んでもらいたい1冊だ。

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行動経済学の使い方 大竹文雄氏著


常々、マーケティングには行動経済学が重要だと考えてきた。
私も自分で、行動経済学の考え方について書いた本を出しているが、
学術的な専門家が、行動経済学をビジネスにどのようにあてはめていくのか、について興味があったのでこの本を読んでみた。

この本ではまず「そもそも行動経済学とは何か」といった基礎知識、
そしてその中でも、いくつかある考え方・アプローチ、
さらに、仕事の中に行動経済学がどのように生かされているのかを、
マーケティングの考え方だけではなく、
仕事の仕方、働き方、医療健康への応用、公共政策への応用など、
多岐にわたって解説されているところがとても興味深い。

これらの事例を読み進めていくと、逆に自分の仕事、マーケティング活動に活かすこともできる、という発想が湧いてくる。

なぜなら、この本には、正当的な理論が多く紹介されていること。
加えて、一つ一つの理論に伴った事例が紹介されているので、
再現できそうか、その場合はどうすれば良さそうかが、
想像できるため、仕事で使える内容になっているからだ。

注目を集めているいる行動経済学の、理論と実践を同時に学ぶことができる、という意味でおすすめの一冊だ。

     

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Leaders 本物のリーダーとは何か ウォレンベニス バートナナス著

「本物のリーダーとは何か」 読了。
大学院での講義において、私が学生に求めるものは知識の習得だけでなく、「リーダーシップ」を取ることも重視している。

マーケティングの実務においては、チームを管理する、というよりも、チームを引っ張ることで成果を出すことが重視されるからだ。

この本は、長年リーダーシップを研究してきた著者が曖昧な概念だったリーダー像というものを体系化した本として読んでおくべきと考え読んでみた。

著者は、「リーダーシップは生来のものではない」「愛と同じで存在は知っているが定義し得ない」という。

次に、リーダーシップに欠かせない三要素として、

  • コミットメントcommitment
  • 複雑化 complexity
  • 信頼性 credibility

を上げている。
ちなみに、冒頭の部分で「管理はやめよう」という文章を掲げている。
これは私も好きな言葉で、「アメリカの心」という本にも掲載されているユナイテッドテクノロジーズがWSJに投稿したとのこと。

著者はこの本で、優れたリーダーは4つの戦略を持つという。
それが、次の4つだ。

  • 人を惹きつけられるビジョンを描く
  • あらゆる方法で意味を伝える
  • ポジショニングで信頼を勝ち取る
  • 自己を創造的に活かす

それぞれに関して、かなり奥深く掘り下げて分析され、まとめられている

人を惹きつけられるビジョンを描く

  • ビジョンなき組織に未来はない
  • リーダー=ビジョンをみせ感情的資源〜コミットメント 過去や先達に手がかりを求める
  • マネージャ=物理的資源〜資本、技能
  • ビジョンに必要な力とは、先見力、洞察力、世界観、立体認知、周辺視野

 あらゆる方法で意味を伝える

  • アイディアの良し悪しは質だけでは決まらない
  • 組織の社会構造の設計をする→形式的、組織的から個人的へ
  • ビジョン策定→コミットさせる→定着させる

 ポジショニングで信頼を勝ち取る

  • 場所を自分で創る
  • 一貫性を持ち最後までやり遂げる
  • 勇気ある忍耐

 自己を創造的に活かす

  • 人間的な営みを行えるようにするための自己進化型肯定的自己観を持つべき
  • 失敗はものごとをやり遂げる方法の1つに過ぎない
  • 自己と結果を肯定することが大事
  • 優れたリーダーには5つの能力がある
    • 不確実性を認め共有する能力
    • 間違いを受け入れ活かす能力
    • 未来を見据えて行動する能力
    • 円滑な人間関係を築く能力
    • 自分を知る能力
  • 学習する組織を構築すべき
    • 歴史を再解釈
    • 実験する
    • 類似組織の研究
    • 分析する
    • 研修教育を行う
    • 知識を捨てる
  • したがい、学ぶリーダーを作ることが必要

この本では上記4つに関して、研究結果と企業での事例が書かれているため、実際に実務に落とし込みやすく、再現性が高い。

さらに、40年近く前に書かれた本とは思えないくらい、今の状況に当てはまることが多い。

昨今のコロナ禍の中、求められるビジネスパーソン像も多様化・複雑化しているが、この本にある本質的なことに大きな変化はない、と読み取れる。
その意味でも、今考えるべきテーマの中の良書と言える

   

マーケティング プロデューサー
理央 周(りおう めぐる)

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徹底的に数字で考える 仕事の質とスピードが激変する思考習慣 深沢真太郎氏著

情報とモノが溢れているこの時代において、仕事を正確に進めていく上で必要なことが2つある。

それは、事実をベースにすることと、考えるということと。

この本では、同時にその2つを学ぶことができる。そしてその成果として、
質と量の面で自分の仕事の生産性を同時に上げていけるということだろう。

仕事をやっていく上で、直感的に仮説を立てて検証しながら進めていくことは重要だ。
しかし、その仮説を検証するプロセスには、客観的な数字があると判断の精度が増す。

この時の数字の重要性というものが、仕事をしていく上で意外と意識できないものだ。

まず、この本の良いところは、
なぜファクトベースでなければいけないのか、
なぜ数字を重視すると仕事の成果が上がるのか、
という"そもそも"の数字の重要性をしっかりと定義している点にある。

まずは、「間違える可能性をどれだけ低くできるか」という点。

どんな仕事にも、正解と言うものはない。
特にマーケティングのエリアは、「目標にどれだけ近づけるか」が目標達成値になる。

その際に「不確定な要素」を出来る限り排除し、得られるリターンを最大にするというのが、
マーケティングの目指すところになる。

この重要なポイントを、順序だて「そもそも論から手法論」までを、考え方と事例とともにカバーしているので、この本の一つの特徴だと言える。

手法だけ覚えても、実際の仕事では使えないからだ。
そもそもなぜそうなるのか?という背景にある理由がわかっていないと、はらに落ちず、いざという時に頭に浮かんでこない。

第2章にある「原因と結果を通じて考える」の中に、結果から原因を導けない理由は、「結果から原因を導く方法を知らないから」とあるパートなどは、その意味でも仕事で使える考え方だ。たとえば、よくある営業会議等での報告事項では、「昨年対比でマイナス30,000,000円でした」とか「得意先が5件減りました」など、単なる状況の羅列で終わることが多い。

しかしその裏には、例えば顧客満足度調査によると1年前の5ポイント減っているというような理由があるはずだ。この点が単なる数字の羅列と数字で考えることの違いなのだ。

ビジネスにおいて、数字で考えることは重要だ。
一方で、数字を頼りすぎると、数字に溺れて本来の目的を見失うこともある。
この本では、こういった事例を元に数字と判断のさじ加減、数字とのうまい付き合い方がわかる。

その意味でも、オススメの一冊だ。

マーケティング プロデューサー
理央 周(りおう めぐる)

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マーケティングとは組織革命である森岡毅氏著 個人も会社も劇的に成長する森岡メソッド

まずこの本には、企業にとって

「なぜ、マーケティングが必要なのか?」
「本当のマーケティングとは何か?」
「どうすればいいのか?」
「その結果が何を生むのか?」

に対する答えが書かれている。

マーケティングは、戦略だけではうまく機能せず、もちろん手法論でもない。

企業活動で、マーケティング担当者1人だけがマーケティングを理解すればいい、というわけではなく、
マーケティングマネージャーはマーケティングのことすべてを、
営業部員であれば、マーケティングの本質的なこと、
たとえば、顧客は何が欲しいのか、どのように期待を超えることができるのか、
を理解して営業活動に動くべきだし、
ファイナンスや経理といった会社のカネ扱う部署においても、
投資対効果を考えて意思決定をするときの「判断基準」として、
その投資が顧客のためになるかどうか、という視点でも数字を計算したほうがいい。
また、人事部においても、顧客視点であることを理解させる社員教育プログラムを組むとか、
あるいは組織体系に置いて評価をの中に顧客への姿勢、視点などを入れていく、
という意味においてもマーケティングを理解しなければいけない。

このような点が、ヒューレットパッカードの創業者が、
「マーケティングはマーケティング部に任せるには重要すぎる」
と言った所以だろう。

マーケティングに特化したコンサルティングや、研修を提供している中で、
戦略や手法の部分を、理論と事例を交えて伝えていくことになる。
そして、経営者や事業本部長クラスの方々は、その点をご理解いただけることが大半だ。

しかし、そこから企業としてマーケティング戦略を立て、
戦術に落とし込み、施策を考えて実践し、PDCAを回していく。
したがって、社内にその考え方をどう浸透させていくことが必要になってくる。

実際に企画をし、戦略を戦術や施策に落とし込むリーダー、マネージャーたちがトップの考える理想のマーケティング企業の姿を理解した上で動けないと、て運用していくことが難しい。

多くの企業が、運用フェイズで「壁」に当たる。
マーケティングは、組織全員で取り組む課題であり、事業戦略のひとつなのだ。
なので、この本で森岡氏が言っている「マーケティングは組織革命だ」と言う点に大きく共感する。

この本では、企業における様々な問題が提示されている点も参考にできる。

「強いマーケティング部さえあれば、マーケティングができるようになると思っている企業が多いが、現実はそうではない。その原因は組織の構造や鹿意思疎通回路がうまくいってないから」
「本来は、作ったものを右から、売れるものを作る会社になればいいなと思い込んでいる」
「消費者とプロダクトは双極性の関係になる」など、多くの金言と事例で説明されている。

この本のもう一つの特徴は、マーケティング的な組織モデルを「人体」に例えている点にある。

「感知、判断、行動というサイクルを、人間がやるように企業内でも「超高速」で回すべきだ」
「人間の脳は動物の本能として、変化を拒むようにできている。すなわち脳が、体にかけるブレーキがイノベーションを生み出せる発想を阻む」
など、難しい言葉をつかわず理解できるように第1部は進んでいく。

これらのことは、P&Gでの著者ご自身の体験と理論が、USJにおいては最初はうまく機能しなかった部分があるところから語られている。その点が、理にもかなっている上に経験に裏付けされているので、読んでいてとても腹に落ちるし、仕事に使える要素になっている。

この本は、マーケティング担当者だけではなく、経営者や起業家、企業の人事部の方々にもぜひ読んでもらいたい本である。

マーケティング プロデューサー
理央 周(りおう めぐる)

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高速会議 期待以上に部下が育つ 沖本るり子著


「5分会議」、会議の手法を効率化し仕事の成果を上げる研修でも有名な沖本るり子さんの新刊。

この本でも、前半では5分会議の重要性、やることの意味、なぜ5分をやると目的が達成でき、
社員の育成つにながるのかということが書かれている。

私たちは忘れがちだが、「会議」は単発の"会議"というだけではなく、連続した仕事の中での1つのプロセスに過ぎない。それを事前準備から会議後まで数段階に分けて図解されているのがとてもわかりやすい。(24ページ)

高速会議ってなに?それだけで十分なの?という考えを持つ人もいるだろうが、
もちろん、ただ単に5分で会議を終わらせるという意味ではなく、
なぜ会議を高速化すべきなのか、
そうなると、業務やチームはどうなるのか?がわかるように説明されている。

このように、沖本氏の著書には会議の進め方、という手法論だけではなく、
「仕事にとって会議はなぜ必要なのか?」
「目的を達成できる会議のあり方とは何か?」
「会議を通してチームをマネジメントできるか?」
といった本質的なところをカバーしている点がいい。

手法だけ真似してもできないからだ。

また、この本の良さは自社でやってみることができる、
という再現性の高さにある。

たとえば、5分会議をやる時に、「5つの工夫」をすることで、成果を出せるようにしていくエッセンスがあるとのこと。それらは、視点、見える化、参加者全員で意見を出す、立場が関係なくなる、身内で揉めないこと。

さらに、人が育たない会議のNGパターンがいくつか載っている。例えば、

  • いつも同じ人が仕切るとそれは依存を生み出す。
  • 追加の割に時間がかかっている、とか、
  • 1人の人だけが増えている、
  • 議題から外れてしまう

これらをチェックシートとして自社の会議の状況に当てはめてみるのも、この本の使い方だろう。

以前、大手家電メーカーのマーケティングマネージャーが「私の仕事はの半分以上は会議なんです」と言っていた。これはまさに、典型的な大企業病。

中小企業や、ベンチャー企業は、ヒト、モノ、カネ、時間、情報、という経営資源に余裕がない。なので、1人の社員が生産性を上げることで、売り上げと利益に貢献することができる幅がとても広くなる。そのために、効率化できるものは効率化し、本来やらなければいけない成果を出す仕事、将来につなげる仕事、顧客のためになる仕事に、最大限の知恵を絞るために時間を投下しなければいけない。

私は常々、会議はものごとを決定するところであり、議論や討論は会議に臨む前に徹底的にやり、会議は「やるかやらないか」「GOかNO GOか」を決める場所であると考えている。

経営は意思決定の連続であり、会議はその重要なツールだ。
その意味でも、この著作はとても参考になる。

マーケティング プロデューサー
理央 周(りおう めぐる)

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「イノベーターになる 人と組織を革新者にする方法」読了 西口尚宏氏 紺野登氏著


イノベーションとは、新しい価値を創造すること。
価値を創造し、運用して成果を出してこそ、初めてビジネスとしてのイノベーションは成り立つと言える。

この本では、その意味でのイノベーションの

  • 本来の定義
  • 開発創造のフレームワーク
  • そしてやってはいけないことと、やるべきこと 

が、とても簡潔にまとめられている。

そして何より、イノベーションそのものを起こし実践するのは「人」だと言うことをはっきりとうたっている点が本質的で、再現性が高い内容になっている。どのような人材が、必要で、どのような考え方を持ち何をしていくべきなのかをまとめている点だ。

私がチェックしたすぐにでも使える「役立つキーワード」は、少なくともこれだけある;

  • 新結合は、手段であって目的ではない
  • イノベーションとは、本業革新や新規事業による社会的、経済的価値の創造だ
  • イノベーション活動は、大きく構想と実行の2つのプロセスに分けられる
  • イノベーションを阻む5つの課題がある52ページ
  • 答えはオフィスの中にはないスペーススティーブンブランク4
  • 価値仮説を構成する三要素は、対象者(顧客)、対象者の環境、対象者の体験
  • イノベーション人材に求められる3つの能力とは、デザイン思考力、ビジネスモデル構築力、リーンスタートアップ推進力
  • デザイン思考5つのステップは、共感、問題提起、創造、プロトタイプ、実証
  • リーンスタートアップとは、学習から構築から計測を繰り返し行うための方法論

また、144ページにある、あなたの会社はイノベーションを起こせる会社かどうかという4つの質問のチェックリストはすぐに使える内容だ。

弊社も、新規事業の創造や、新製品開発のコンサルティングを依頼されるが、
どの企業も、課題は「人材」だ。

それも、能力の問題ではなく、経験の問題が大半。
大手製造業に見られるのは、「新しく事業開発をしたことがない」という人材が多い。
そして多くが、とても有能な人材だ。

ここで壁になっているのは「うちの会社ができること」から出発する点にある。
プロダクトを出す、のではなく、何が市場で求められているのか、という顧客の需要の探り出しから始めるべきだ。

それを発見できるのは、ITでもAIでもなく、人間の洞察力。
この点を深掘りし、見える化しているのがこの本である。

製造業に限らず、新規事業創発、売り上げ低迷に悩む営業部長、人材に悩む人事部長など、
多くの職種に関わるビジネスパーソンにオススメの一冊だ。

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デザイン力の基本 ウジトモコ氏著 簡単だけどすごくよくなる77のルール


マーケティングコミニケーションの重要な要素に、顧客へのメッセージを開発するということがある。
具体的には、広告、企業や商品のロゴなど、クリエイティブを作るということがそれにあたり、その中身は、コピーすなわち言葉と、イメージすなわち画像や動画、色合いなどになる。

これらを総合して「デザイン」と呼ぶ。

広告やロゴなどのデザインは、自社の商品やサービスが「初めてユーザーに触れる」という意味で、売れ行きを左右するくらい重要な要素だ。

私の場合、BtoCの企業・中小企業にマーケティングの講演や研修を依頼される場合が多いのだが、その際に「どうやって広告を作ると売れるのでしょうか?」といったような質問を多くいただく。

またデザインは、アートの部分も多いため、これまで俗人的で、できる人はできるが、できない人には難しい、と考えられてきた節がある。

しかし、大事なことはどんな広告を作るべきか?ではなく、どんなデザインにするべきか?である。なので、私がマーケティングの研修をする時に、考え方を話した後に、どうやってチラシやポスターの中身を変えるとうまくいくのか、を事例として見せてきたが、それらをそのまま真似てもうまくいくはずもない。

どんなものにも抑えておくべき基本がある。

この本は、タイトル通り、そのデザインの基本を抑えていること、そしてそれらがすべて事例とともに示されているのが大きな特徴。

特に、この本が仕事に使える点は「デザインでやりがちな間違い」を指摘した上でその解決策を見せてくれていること。

言いたいことを詰め込みすぎたり、伝えたいことが表現できてなかったりと、デザインしていく上での「あるある」の問題点は多くの人たちに共通する。それらをまずは指摘してくれるので、読んでいる方も「ああ、確かに」と腑におちて、自分の作成しているデザインにどう当てはめればいいのかが分かる。

そうした上で、まずは、

  • やらないことを決める、
  • 欲張らない、
  • 良いと悪いは、好き・嫌いとは違う

などのカテゴリーに分けて、とても分かりやすく説明されている。

また、この本で書かれていることのベースは「デザインは戦略」に基づく、という点。
誰に届けるかを決める、というのはターゲット戦略だし、色合いを決めていくのはイメージ戦略。

自社の製品やサービスにとって、もっとも伝えたいことがぶれないようにデザインするにはどうしたらいいのか、がよく分かるように説明されている。

この本は、基本とやり方、いいデザインかどうかの判断の仕方が書かれているので、デザインをやる人たちのみでなく、私たちマーケターのように、デザインをデザイナーの方々にお願いする立場の人たちや、判断する経営者にも有益な内容が満載。

数あるデザインに関するビジネス書の中でも、オススメの1冊だ。

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大型商談を成約に導く SPIN営業術 営業をフレームワーク化 ニール・ラッカム著

BtoBでの対法人営業において、戦略的に営業をまとめていくアプローチは非常に重要だ。

一方で、営業は属人的である、営業は泥臭い活動が重要だ、営業マンは顧客のところに何度も行ってなんぼ...という精神論にとらわれている企業・組織が多いのも事実である。

私は、「生業を営む」と書く営業はとても重要だと痛感しているし、営業活動がなければビジネスは成り立たないので、営業活動や顧客への取り組みに根性が必要だということを否定するつもりは全くない。

しかし、少しだけロジカルに戦略的に、営業活動に行く前に準備をしていれば、商談を求める確率も上がる。

この本は、その点をこの本はその点を小型商談と大型商談とに分けて、大型商談を制約に導くために必要な4ステップについてまとめている。

スピンは、S、P、I、Nの略で、それぞれ、
シチュエーション、プロブレム、インプリケーション、ニードペイオフを示すと言う。

この順で、顧客の潜在的な課題を顕在化し、営業に役立てると言うのがこのスピン営業術の肝だ。

このフレームワークに準じて、とてもロジカルに事例とともに何をすべきかが明確に書かれている。

すべてのビジネスにおいて重要な営業活動に、このようなロジカルなフレームワークを当てはめていくと、暗黙知だった営業のアイディアが、見える化され形式知になり、それを貯めていくことで集合時に消化することができる。

その意味でもお勧めの1冊だ。

   

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世界のエリートが読んでいるMBA必読書50冊を1冊にまとめてみた 永井孝尚著 

IBM出身で「100円コーラを1000円で売る方法」の、
永井孝尚氏が、定期的に朝活と夜塾を開催している。
その夜塾で、この本で紹介されている、
「戦略販売」をテーマにしていたので、参加した。
その際のきっかけでこの本を読了。


タイトルにある通り、MBAがビジネススクールで学ぶ際に、
参考にしている、または読むべき重要な書籍が、
一挙に紹介されている。
私も、関西学院大学のビジネススクールで教鞭を執っているが、
経営を体系的に学ぶ上で、
基礎になる考え方を固めておくことが重要だ。
さらに、基礎を学んだ上で「応用」することは、
さらに重要になる。


その、基礎と応用のために理解しておくべき本が、
ここでは紹介されている。


全体を、戦略、顧客とイノベーション、起業と新規事業、
マーケティング、リーダーシップと組織、人、
の、6つのカテゴリーに分け、
計50冊が紹介されている。
そして、各書籍に永井氏の解説が書かれている。


この50冊のリストと永井氏の解説があることによって、
2、30代のビジネスパーソンにとって、
読むべき本が一覧になっているので、
この本だけでも、経営に必要な要素を網羅できるし、
さらに、読者にとってより深掘りをしたいエリアの本を、
探しだすこともできる。


例えば私にとっては、戦略販売の項で、
BtoBの営業、新規獲得戦略の構築のための、
大きなヒントを得ることができた。
これを、自社のクライアントへの提案に入れていけるし、
自社の新規事業での顧客獲得にも活かせるので、
さっそく購入して深掘りをしてみた。


経営は、ファイナンス、組織、マーケティングなど、
機能別なことのみを学ぶだけでは不十分。
なぜなら、すべてが有機的につながっているからだ。


その意味でも、経営全般を俯瞰する上で、
自分のエリアの深掘りをすると、
会社の中で、自分に何が求められているのか、
また、何をすべきかがより正確にわかるようになる。


その意味でも、若手ビジネスパーソンに、
オススメしたい1冊だ。

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サ道 心と体がととのうサウナの心得 タナカカツキ氏著 経営者に必要な仕事の環境

28歳、自分の息子くらいの年齢の経営者が、「毎日のように新橋のサウナに通ってます」「サウナ、水風呂、リラックス」の三点セットがいいんですよとのことを熱く語られて、サウナ道に興味が出て、さらに他の経営者仲間にも聞いてみたところ「え、サウナ流行ってますよ!」「いってないんですか?」などと、まるでいっていないことが罪悪かのように言われて驚いた。なんでも、サウナの熱さから水風呂に行き、その後リラックスしている段階で何かのホルモン(? うろ覚えですが)が出て、閃きがおりてくる、とのこと。彼らは異口同音にこういうのだ。

私は人前に出る仕事ということもあり、おなかがぽっこり出るのがまずく、数ヶ月前からスポーツクラブのメンバーになり、週2、3回は筋トレ、ランニングマシン、水泳などなどしっかりとやっている。このスポーツクラブにもサウナがあるので、「あ、じゃあクラブのサウナに行けばいいんだよね。でも水風呂がないからシャワー浴びればいのか」というと、すかさず「それは邪道です!」と始まる。なんでも、水風呂にドボンと入ルカらいいのであって、冷やせばいいというものではないらしい。サウナの温度と同じように、水風呂も決まりがあるとのことだ。

サ道は奥が深い・・・とのことで、この本を読むのにも気合が入った。

サウナ好きで有名な著者のタナカカツキさんも、最初はサウナがそれほど好きではなかったとのこと。しかし、周りに言われてサウナに行っているうちにだんだんと良さがわかってきた。サウナの温度や入り方にもルールのようなものがあり、常連さんたちはそれを暗黙のうちに守っているとのこと。作法、のようなものがあると発見するくだりがなかなか面白く、基本的にタナカ氏は一人でサウナに行くとのことだが、まるで漫画の「孤独のグルメ」を思い起こすような感じで本は進んでいく。

私もスポーツクラブにいくが、なにも筋肉ムキムキになりたいわけではない。心身ともに健康になりたいのだ。確かに通い出してからは、食べるものにも気を使うようになり、タンパク質を多めにとる、野菜を1食に必ず入れる、コンビニで何かを買うときでさえ成分表示を確かめるようになった。また、何よりいいのが気分転換というかリラックスできるというか、精神衛生上とてもいいのだ。

私の仕事柄、本を書いたりクライアントの企画を考えたりなにかと机の上での仕事が多い。しかし、机の上だけではアイディアも煮詰まってしまうし、眠くなったり飽きたりしてしまう。スポーツクラブにいくのはランチ後の午後2時から6時の間と決めているのだが、この時間原ランチがお腹にたまり1日で一番眠くなる時間帯なのだ。そのときに体を動かすと、余分な昼寝も避けられるし、健康にもいい、さらに気分が変わることで煮詰まっていたアイディアに違う方向性が思い浮かぶこともよくある。「自分がスポーツクラブに行って健康的なことをしている」という意識もあって、気分がいいのだ。

サウナは、これに共通すると思う。何よりも、緊張を緩和させることができるのがいい。画期的なアイディアは、固定観念や成功体験に邪魔されるが、違う環境に自分を置くとその壁を取ることができる。企画力をあげ画期的な発想を生み出すためには、頭を捻る、ディスカッションをするだけでは不十分。みずから環境を作り出すことも必要だ。サウナはその効果的なツールだといえる。

現状維持は敗北だ、がマーケティングの基本だ。その壁を破ることができる1つのやり方がサ道。その意味で、ビジネス・パーソンにはオススメの一冊だ。

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仕事で数字を使うって、こういうことです 深沢真太郎氏著 ビジネスパーソンにとって必要なデータの捉え方

私は、企業研修や、社員教育のプログラムを開発し、管理職、リーダー職候補の方々に向け、経営資源活用、マーケティング、営業戦略構をベースにした事業計画作成をご指導させていただいている。また、ここ数年は営業活動を戦略的に構築するために、家電や製薬メーカーの卸売企業の営業管理職の方々への研修も多く請け負っている。

その中で、特に重要だと思うのが"数字"だ。

今さら数字?と思う人も多いかもしれないが、数字を計算する、数式を覚える、フレームワークに数字を当てはめる、ということではなく、その数字が、

  • 何を意味しているのか
  • その数字に込められた意味は何か
  • 自社がどんな手を打つのか

という、数字が持つ意味の解釈と仮説構築、そしてそれに伴ったシミレーションと行動計画の作成にどう生かすことができるか、が重要なのだ。

この意味で、真の数字の重要さを理解できているリーダー職は決して多くはない。ちなみに理解できていないことを嘆く必要はない。なぜなら、営業職の本質は「顧客を理解し、期待を超えるサービスを提供すること」だからだ。そこに数字が加われば最高だ、ということになる。

数字を計算するだけであれば、AIやExcelにできるが、その数字を読み取ることは人間にしかできない。
そしてそれはリーダー職の仕事なのだ。

では、数字を読み取る力は何をもってつければいいのだろうか?

それは、その数字がどんな意味をもちなぜ重要なのかを理解すること、が基本でありスタートポイントだ。

この本では、なぜ数字が重要なのか、その数字を使うとビジネスはどうなるのか、その数字の中に込められた意味は何か、といった「そもそも論」について、とても丁寧にストーリー仕立てで描かれている。

例えば、第3章の「あなたは正しくデータを読んでいますか?」の中で、平均だけでは何もわからないという節がある。ただ単に、平均値を計算するだけではなんの意味もなく、標準偏差(ここではばらつき値と言っている)を考えることによって、各数値が平均からどれだけ離れているのかということを、営業所での数字の事例ごとに考えるアプローチが書かれている。これがまるで、実際の企業内での企画会議でなされている会話のようにとてもリアルに描かれているため、読んだ後に自分の仕事で使おうと思ったときの再現性が非常に高いだろうことが想像できる。

また第4章では「意思決定に数字を使う本当の意味を知っていますか?」という内容が書かれている。この中で「予想と予測の違い」を定義している。この比較とその定義が面白い。ふだん曖昧に捉えて使っている言葉も、このように定義してみるとより深い意味が見えてくる。

著者が書いているように、ビジネスはギャンブルではない。したがって、出来る限りリスク不確定要素を下げて最大のリターンを求めていく中で、いかに数字を使って自社の予測を正しいものにしていくかということが非常に重要なのだ。

私が中でも、個人的に好きなのは終章の「数字の力が仕事を変える」の中で、「ファッションばか唯一の正論」とある場面だ。作中の主人公の1人が、「数字の重要さは理解した。でも、うちの会社はアパレル産業なので自社の服を着て仕事をしてくれないか」と、数字が得意の主人公の数学女子の智香にお願いする場面だ。

私は常々、ビジネス、特にマーケティングは「サイエンスに基づいたアートだ」と考えている。サイエンスの部分で、リスクを下げ、「リターンを最大にする努力をして、そこから人間の力で「含意」を導き出し、「仮説」を立て検証し、そして広告物や製品パッケージとして世に出るときには「アート」として世に出ていくのだ。

著者はここで、数字は非常に重要だがそれだけでは十分ではない。感性や熱意、情熱と相まって初めてビジネスが成就していくのだ、ということを述べている。えてして、数字のみを追い求めていると罠に陥ることもある。なにより、それだけでは、面白くないものが出来上がってしまうこともある。逆に感性だけで勝負していくと、この厳しい市場環境において勝てないことが多い。この最適なバランスがもっとも必要だということだが、その点もしっかりと捉えられていることに共感した。

この21世紀は「データの世紀」と言われている。数字、データを読み取りどう分析し、そこから含まれている意味を知恵に変換していくということが勝負の鍵になる。その意味でも、すべてのビジネスパーソンにお勧めの1冊だ。

マーケティング プロデューサー
理央 周(りおう めぐる)

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インスパイア型リーダーはここが違う WHYから始めよ!経営課題が分からない社長必読のビジネス書 サイモン・シネック著

オーストラリア、香港、イギリスに留学し、国際資格のバカロレアを取り、その後、外資系戦略コンサルティングファームを経て、独立した、28歳の起業家で経営者の方が、「面白いからぜひよんでみてください!」と、強く勧められあり読んでみたこの本。

まず「WHY,WHAT,HOW」という順で中心から3重に成る、「ゴールデンサークル」を提唱している中で、すべてはWHYが出発点であるべきだ、と説く点に共感した。

それぞれ、WHYとは「なぜあなたはそのビジネスをしているのか」ということ、
WHATは何を提供するか、
HOWとはどうやって提供するのか、ということだ。

私はこれまで、多くの経営者、ビジネスパーソンたちに、
経営およびマーケティングについてご指導させていただいてきている。
その中で「思うように売れない」というのが共通の悩みである。

売り上げがジリ貧だ、お客様が離れていく、
といったマーケティング上の問題点が、
どこに端を発するのかを突き詰め、掘り下げていくと、
先のWHYを忘れ、何を売るのかというWHATや、
どうやっているのかというHOWにばかり注意を払ってしまっている点に行き着く。

これは私が、マーケティングとは、
「何を、誰に、どうやって」の3つの戦略を考えることで成り立つ、
と説いている中で、多くの人が「どうやって売る」のかをばかりを考えてしまう点と共通している。

どうやって売るのかという選択肢は数限りなくあるので、
中から最適なものを選ぶべきだ。
従い、何を買ってもらうのか、誰が買ってくれるのかという、
プロダクト戦略とターゲット戦略を明確にしていない限り、
「どうやって売るのか」というコミニケーション戦略がぶれてしまう。

この本では、同様にそもそもその事業の目的は何で、
何をもって誰を幸せにするのか、
自社の特徴は何なのか、自社の信念はなにか、
ということを明確に定義せよと述べている。

そしてこの考え方が、アップルやサウスウエスト航空など多くの事例とともに書かれているため、読んでいて自分の当てはめることができハラに落ちる。

また、営業において会社をどうアピールするかという手法と、恋愛とを比較して書いている事例も面白い。
恋愛では自分を売り込むだけでは、相手にとってインパクトを与えるような言葉をつむぐことができない。
自分の思いを伝えていくために、より深く広く相手のことを知ることが全ての始まりになる。

そのためには相手から多くのことを聞き出し、相手が本当に欲っしていることは何か、
何をしてもらうと喜ぶのかを聞き出すといったことが先決だ。

営業マンの場合もこれと同じで、自社の売り込みばかりをしていると、顧客のほうはいい加減に嫌になる。
これを避けるために、顧客が抱えている問題点や課題を引き出すことが先である。
これらを踏まえた上での提案でなければ、そもそも顧客を聞く耳を持たないし、顧客の課題解決にマッチした提案もできない。


このように、ゴールデンサークルの考え方に加えて、それを実際の企業がどのように活用してきたのかという事例と、このようなアナロジーが見事に調和されて書かれているので、普遍性も高く再現性も高い。

冒頭に書いたように、私とは、親子とも年齢が違い、その年齢の差があるがゆえの、私とは異なる視点を持つ彼に、いつもなるほどと感銘を受けていたのだが、やはりこの本にも感銘を受けた。本をはじめとして、様々な情報は主観的に選んでいるよりも客観的に、自分とは異なる価値観を持つ人の意見を取り入れると、自分の中に新しい風が吹き、私の視野を広げてくれたという意味でも読んでよかったビジネス書だ。

自社にとって課題がある経営者、自分の仕事に行き詰まっているビジネスパーソンにとって、いちど原点に立ち返ると言う意味でも読んでみることをお勧めする1冊だ。

マーケティング プロデューサー
理央 周(りおう めぐる)

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メタ思考トレーニング 発想力が飛躍的にアップする34問 細谷功氏著


新製品開発のための思考術の1つのアイディアになるかと思い読んでみた。

画期的な商品を開発するためのアイディアは、物事を正面からだけ見ていてはなかなか出てこない。斜め上から見たり、俯瞰してみたり、ときには、間違っていると言う前提でものを見てみたりすることが重要だ。

わかってはいるけれども、なかなか難しいというのがビジネスまたは仕事における現状だと思う。

この本には、アナロジー、などの多角的な視点で物事を見ることによって、ビジネスの幅ひいては気づきの深さ質の高さを上げていくためのアプローチが書かれている。

それが、単なるやり方・手法の論点ではなく、なぜそれをやるべきなのか、というそもそも論で説明されているので、重要性がはらにおち、ひいては仕事で使えることになる。

メタ思考に関して大きく3つのアプローチがあるとのこと。以下が章立てになる。

  • 第1章 ウォーミングアップ編
  • 第2章 Why型思考のトレーニング
  • 第3章 アナロジー思考のトレーニング
  • 第4章 ビジネスアナロジーのトレーニング

たとえば、第2章に書かれているのは、実施重視のHow思考と、目的重視のWhy思考があり、メタ思考とはWhy思考に近いとある。これは、事業をなぜ、誰のためにするのかという事業の定義から始める考え方と共通する。数多くある手法に振り回されず、最適なものを選び出すことで時間や経営資源を有効活用していくためにも必要な考え方だ。

このようなアプローチが、各章に書かれていてさらに演習問題と解答例がついているのが再現性を高めている。

混沌として不確実なこれからの時代においては、今までの思考法では解決できない問題が多く発生する。その時に使える考え方、思考法がメタ思考なのだと思う。

その意味でも、この本はビジネスパーソンにとってお勧めの1冊だ。

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理央 周(りおう めぐる)

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