Marketing i's [マーケティングアイズ]

マーケティングはサイエンス(科学)に基づいたアート(芸術)である

東海道新幹線弁当に学ぶリピートを呼ぶネーミングのコツ

毎週15時から西宮にある関西学院大学のビジネススクールでの講義に行くために、12時頃の新幹線に乗る。

このタイミングは、ちょうどランチをどうしようか、というタイミングだ。食べてから乗車するには少し早いし、かといって新大阪についてから食べるとなると13時半を超えてしまう。

乗っている時間が1時間弱、ということで駅弁を買って車中で食べることも多い。
数ある駅弁から「どれにしようか」と選ぶのは楽しいものなのだが、なにせ種類が多い。
名古屋駅だけとってみても、キオスクやベーカリー、デパ地下などなど、
駅弁の種類だけでなく買う場所も様々だ。

しかし、場所も種類も多いのだが、どの駅弁も同じに見えてしまう。
特にボクは、1種類だけ「とんかつ」がドカンと乗っているような駅弁よりも、
数多くのおかずが乗っている幕の内弁当チックなモノが好き。
でもやっかいなことに「幕の内弁当」が駅弁の中でも一番多いのだ。

で、昨日見つけたのがこちら「東海道新幹線弁当」

長いネーミングだけど、インパクトあり。
そして何よりも「中には新幹線の各駅の名物が入っていそうだな」と、想像しやすい。

早速買ってみると中身は深川メシやみそカツなどなど、やはり種類も多く、
よくある幕の内弁当とは、おかずのラインアップも違うところがいい。

ふたを開けると、こんな風に中に入っている「おかずのメニュー」が書かれているところも親切で楽しい。


そしてネーミングも覚えやすい。
ボクは食べることが大好きなので、よく外食をするのだが、飲食店にありがちな間違いは、
フランス語やイタリア語の「わかりづらい」ネーミングを店名につけること。
「オステリア ドゥ XXXX」とかいうあのたぐいだ。
戦略をねってあり、あえて隠れ家的雰囲気を狙う場合はいいが、
それでもクチコミにつながる場合に、忘れられてしまう、いわゆる機会損失になってしまう。


【マーケ的 ポイント】
中小企業と個人事業主が、東海道新幹線弁当から学ぶことは、
「わかりやすいネーミング」
にする、ということ。

生活者は、私たちが思っているよりも遥かに多い選択肢の中から、
自分が欲しいものを探し出し、買う前に評価し、そして買う。
買ったら使い、再度その使い心地を評価し、人に伝える。
ITが発展し、SNSが一般的になってきても、この行動の流れは変わらないのだ。

企業のプロダクトをマーケティングする段階で、生活者がまず最初に目にするものは「ネーミング」だ。

思いを込めて、凝ったネーミングにしたい気持ちはよくわかる。
しかし、インパクトがあり手に取ってもらえないと、買ってはもらえない。
さらに、買ってもらえたとしても次のリピートにはつながらない。

ネーミングのコツは、
シンプルであり、
インパクトがある、
覚えやすい

そのためには「禁欲的」になることが重要なのだ。


マーケティング コンサルタント
理央 周

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