Marketing i's [マーケティングアイズ]

マーケティングはサイエンス(科学)に基づいたアート(芸術)である

戦略がすべて:戦略と戦術を事例で紐解くビジネス書

瀧本哲史氏の「戦略がすべて」読了。

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「僕は君たちに武器を配りたい」以来、明晰でかつ新鮮な切り口で、
戦略やロジカルシンキングの重要性を説いている姿勢に共感する。

マーケティングコンサルタント、という私の生業上、
また、外資系企業で長く仕事をしてきて感じるのは戦略の重要性。
私たちはともすると戦術、施策から入ってしまいがちである。
しかし、戦術論には数限りない選択肢があり、振り回されてしまう。
戦略が無ければ、自身がとるべき戦術が正しいのかどうかさえ分からない中で、
経営、ビジネスをしていることを散見する。

この本では、戦略論というよりも氏のコラムを中心に、

  • ヒットコンテンツには仕掛けがある
  • 労働市場でバカは評価されない革新なプロジェクトは報われない
  • 情報に潜む企みを見抜け
  • 人間の価値は教育で決まる
  • 政治は社会を動かすゲームだ

そして最後の章で、

  • 戦略を持てない日本人のために

と結んでいる。

戦略とはいったい何だろうか、というよりも、
世の中の事象を戦略というフィルターを通してみると、こうなる、
という事例と氏の考え方をマッチングさせている点が面白い。

たとえば、第1章のヒットコンテンツでは、

  • AKBの売り方には「こけるリスク」を排除する戦略が取られていること、
  • 鉄道会社とグーグルの事例を用いてプラットフォーム戦略を解説している、
  • 東京五輪招致のケースからプレゼンテーションにおける戦略

等といった具合に、各プロジェクトでとられた戦術・手法が、
「どういう戦略に基づいてなされたか」を語っている。
したがって、教科書的に戦略の種類を覚えたはいいが、
実際の経営や仕事に結びつけることができない、
という「勉強熱心だが成果が上がらない人」にとっては、
逆転の発想を持つことができる構成になっている。

私も著者としてはこの点に学ばせていただきたい。

私は研究者ではなく、実践家なので、成果につなげる再現性を持ったコンテンツを世に出していきたいと考える。その意味でも、非常に読みやすく再現性高く使える一冊である。

 

マーケティング コンサルタント 理央 周

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