Marketing i's [マーケティングアイズ]

マーケティングはサイエンス(科学)に基づいたアート(芸術)である

営業に必要な販路開拓力をつける幹部社員研修

今週は家電最大手メーカーの販売会社での、営業部 中堅幹部への研修を実施。

どの企業も、事業本部長、部長クラスの中堅幹部またはその候補が、企業の次世代を担うのは同じこと。この世代、この職層が企業の浮沈の鍵になる。一方で、この厳しい市場環境の中、ライバルの攻勢やEコマースの台頭で「販路が開拓できない」「お客様が逃げていく」と経営者が手詰まり感を抱いていることが大半。

「今までと同じやり方では売れない」という厳しい現実がある。

この企業の社長も同じ考えで、「これまでとは違う戦い方をしなければならない」との危機感を抱いておられた。特筆すべきは、「単に営業手法を改善するのでは意味がない。それでは小手先での対応にすぎない」とのことで「新しい商材、販路、顧客を生み出せるようにして欲しい。そのためには、まずロジカルに得意先を説得できるようにして欲しいのです」との課題をいただいた。

現状維持では敗北だということ、さらに手法を変えるのではなく「ヒト」を変えて欲しい、との明快な課題を持っていた。なかなか、このように、問題点を深掘りできる経営者はいない。さすがは、伝統的に人を大事にする大企業のグループ会社の社長だな、と感心した。

これを受けて設計したのが、ロジカルシンキングとマーケティングの、「基礎と応用」を講義とワークを交えて実施しながら、受講者約10名の各自の中期事業計画を、すべてチェックしながら作成しブラッシュアップして、経営陣にプレゼンテーションするという研修プログラム。座学だけではやる意味もない、アクティブラーニングの手法を用いて、経営幹部それぞれが知恵を出し「考え抜く」スタイルをとった。

今年の3月に各位がこの事業計画のプレゼンテーションをした際に、経営陣からは「愛あるダメ出し」が多く出た。しかし、この会社のすごいところは、各位それにめげず、というかめげるどころか、モチベーションをあげて今回のフォロー研修に臨んできた。

第1フェイズで基礎を固めたので、第2フェイズとして次は「考える」ことをテーマに設定してフォロー研修を設計。今回の課題は、現状維持からの脱却なので、安易に計画を策定できるような研修をやっても意味はない。工夫を繰り返し、手を汚しながら道無き道を切り開くという内容が必要。なので、この会社さんの事業とは異なる内容を取り上げていくことにした。

そこで、「UBER:Changing The Way The World Moves」の日本語版、「ウーバー:世界の移動手段を変革する」という、ハーバードビジネススクールのケーススタディを使い、3グループに分けて半年後にプレゼンテーションをする。

私がいつも関西学院大学のビジネススクールで、MBA候補の学生に向けて最終プレゼンテーションの課題としている、ケーススタディ分析の営業幹部版になる。

各チームの皆さんは、自分がUBER JAPANの支社長およびマネジメントチームと仮定し、UBERの日本市場での事業計画を作成し、
UBER米国本社のCEOにプレゼンをする、というシチュエーション設定で実施。

第2フェイズ全体を3つのクールに分けて、次のことを分析し、最終的にチームで案を作成し発表する。

- UBERのPEST分析、SWOT分析、3C分析
- UBERの料金や課金の仕組み、スマホでの扱い方などについて
- UBERの2種類のお客様は誰で、彼らにとっての顧客価値は何か?
- なぜ、UBERはアメリカでこれほど早く消費者に評価されて広まったのか?
- なぜ、UBERはテレビや新聞などメディアの注目を集め、話題になったのか?
- UBERが日本市場に進出しようとした時に障害になったことを調べる
- UBERが今日本で展開しているビジネスについて調べる
- UBERが米国以外、特にアジアで展開しているビジネスについて調べる


受講者が調べる方法は、インターネット検索、図書館に行く、知っていそうな人にきいてみるなど自分自身で工夫をしてもらう。ケーススタディで研修をする目的は、事例で新規事業を生み出すことを疑似体験することで、「創造力」をつけてもらうことです。


今回の受講者達は、自分の担当業務とは異なる課題に対して、最初は戸惑っていたが、徐々に自由な発想ができるようになり、最後には生き生きと準備をして研修に臨むようになった。

何事もゼロから生み出すのは難しい。しかし、トレーニングをすればできるようになるもの。その一つの手法がケーススタディなのだ。

最終の発表は12月6日。今からが楽しみ。

マーケティング プロデューサー
理央 周(りおう めぐる)

*この記事のブックマークはこちら→  
このエントリーをはてなブックマークに追加  
*共感したら、
ツイッターへ!こちらから→  

最新刊「なぜ、お客様はそっちをかいたくなるのか?」~二択クイズでMBAのエッセンスを身につける!

社員を「戦えるリーダー」にしたい経営者・人事責任者はこちら:→社員教育.com

まぐまぐ大賞2016年ビジネス部門で5位受賞!「売れる理由」を学べるメルマガを書いています:
⇒ では、
ヒット商品に共通する「仕掛け」はマーケ ティングに あり!という記事を毎週発刊しています。