ChatGPTとGeminiの徹底比較!事例で学ぶマーケティング的実践活用法

      目次
  1. ◾️【経営者必見!】ChatGPTとGeminiのマーケティング活用とは?
  2. ◾️ ChatGPT vs Geminiの違い〜得意分野
  3. ◾️ ChatGPTとGeminiの現場での活用事例
  4. ◾️ AIで成果を出すには「使う場面」を決める力がカギ 
  5. ◾️ AIを「自然に売れる仕組み」作りのためにどう使うか? 
  6. ◾️ AI時代のマーケティングと営業
  7. ◾️ まとめ

◾️【経営者必見!】ChatGPTとGeminiのマーケティング活用とは?

以前、Googleから「Gemini2.0が使えますよ!」と突然のメールを受信しました。
日々AIを使い倒している私も「また進化したか」と驚いたことをよく覚えています。

一方で、OpenAIのChatGPT4oも、すっかり私たちのデジタルパートナーとしてお馴染みになりました。先日の新入社員研修でも、参加している44名の全員が使った経験あり、と答えているくらい浸透しています。

まるで「どんどん優秀になっていく新人」のような感覚です。

一方で、現場の経営者や人事部長さん、営業マネージャーさんからは、こんな声も聞こえてきます。
AI、結局どれをどう使えばいいんですか?

「生成AIって色々あるけど、結局どれを選べばいいのか分からない」
「うちのビジネスにどう活用できるのだろう?」
「社員にはどう教育したらいいのですか?」

特に、技術力や人間力、長年の経験で勝ち抜いてきた企業こそ、デジタルの波に足を取られがちです。この様ないい企業は「これからはマーケティングが大事」とは分かっていても、どこから手を付ければいいか分からない。そんな経営者と現場のモヤモヤ、経営者の相談に乗り、かつ現場に足を運ぶコンサルタントとして痛いほど理解しています。

◾️ ChatGPT vs Geminiの違い〜得意分野

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そんな数ある生成AIの中で、代表的な2つ「ChatGPTとGoogleのGemini」を比較しながら、マーケティングでの活用について説明をしていきます。

まず、マーケティングの現場でこの2つのAIをどう使い分けたらいいのかを、ざっくりと現場目線で比較します。

まずこの2つは「生い立ち」から違います。

ChatGPTは、アメリカのOpenAIが開発した、「文章」に特化したAIです。チャット形式のユーザー・インターフェースが使いやすさの源です。

Geminiは、Googleが持つ情報解析力をベースに開発された、「マルチモーダル」というコンセプトの生成AIです。マルチモーダルとは、文章だけでなく画像やグラフ、構造化データも扱う"多芸派のAI"といったイメージです。

例えて言うなら、ChatGPTは「万能な文章作成アシスタント」で、コピーライターの新人、あるいは文章のプロフェッショナル見習いといったイメージです。

一方で、Geminiは「多才なクリエイティブパートナー」の様なイメージです。情報を収集できるし、ビジュアルにも強い、まるでデータ分析や市場調査も得意なクリエイティブディレクターの"見習い"といったイメージです。

具体的には、それぞれ以下の様な得意技があります。

ChatGPT:

  • ブログ記事、SNS投稿、キャッチコピー作成
  • 顧客対応(チャットボット)
  • アイデア出しやブレスト
  • FAQやマニュアルのドラフト作成

Gemini:

  • 市場調査、競合分析
  • データ分析、レポート作成
  • ウェブ検索から情報を引っ張り出す
  • 顧客セグメンテーションやターゲット選定
  • 画像分析もOK

◾️ ChatGPTとGeminiの現場での活用事例

では、この2つの現場での活用方法の事例を見てみましょう。AIで何をどう変えるか?という視点で読んでみてください。

ChatGPT活用事例:

製造業A社

製品説明文をChatGPTで自動生成し、営業資料やウェブコンテンツ作りの手間が「1/3」にしました。これにより、営業部員がより顧客対応や新規案件開拓に集中できるようになりました。

小売業B社

顧客対応チャットボットの応答の文章・文言作成にChatGPTを導入しました。問い合わせ対応の精度が上がり、顧客対応時間が半分になり、顧客満足度もアップしました。

Gemini活用事例:

IT企業C社

Geminiを使って競合のウェブサイトやSNS情報を自動で収集・分析しました。営業ターゲットや商品企画を現場感覚で磨き上げ、市場トレンドの先読みが可能になったのです。

商社D社

過去の取引データや受発注履歴をGeminiで解析しました。売上に直結する「優良顧客像」を特定し、リピーター向けの提案を強化しました。その結果、粗利向上が実現したのです。

◾️ AIで成果を出すには「使う場面」を決める力がカギ 

ChatGPT vs Gemini課題別使い分け.png

ここからがマーケティング的な本質です。AIの力を最大限発揮できるかどうかは、「現場がどう使い分けるか?」にかかっています。

営業現場でのAI活用

•    ChatGPT:クライアントの心を掴む提案書やキャッチコピー、説明文を「とにかく速く」作る。
•    Gemini:クライアントの業界動向や競合の動き、KPIデータなどを分析して、裏付けのある提案へ。

マーケティング戦略策定

•    ChatGPT:新キャンペーンのアイデア出し、スローガン、ブレストの壁打ち役。
•    Gemini:市場データをグラフ化し、施策ごとのターゲットや優先順位を可視化。数字を武器に戦略を設計。

プロジェクト効率化

•    ChatGPT:日々のタスクリストやToDoを自動生成。会議のアジェンダもサクッと出してくれる。
•    Gemini:プロジェクトの進捗をKPIで見える化。不足しているリソースを自動で提案。

◾️ AIを「自然に売れる仕組み」作りのためにどう使うか?

私のマーケティングコンサルタントとしての視点として、AI活用を考える全ての現場責任者にお伝えしたいのは、

「AI活用=単なる効率化や時短では終わらせないこと」
「AIをどう活かして"売れる仕組み"を作るか」

という2点です。

重要なのは、「どのツールを使うか」より「目的に合わせて"どう使うか"」ということです。

多くの組織がAI導入でつまずくポイントは、「AIを入れた瞬間に即成果が出る」と思い込み、「使い方を現場に丸投げ」してしまうことにあります。

AIは魔法の杖ではありません。経営陣が「自社の方針としてのAI活用」を明確にした上で、現場の営業や企画担当が「どの情報をAIに投げるか」「出てきたアウトプットをどう活かすか」を考えてはじめて、売れる仕組みや顧客満足度の向上につながるのです。

◾️ AI時代のマーケティングと営業

今後は、AIを活用したアウトプットの精度を上げることで、企業文化を顧客視点にシフトさせていくことができます。具体的には、AIで「市場や顧客の声」を手軽にかつ正確に分析できる様になるため、顧客の本音、インサイトを抽出することができる様になるからです。

この時に、AIの活用スキルや知識ではなく、

  • 成果を出すためにAIをどう使えばいいのか?という思考
  • 「知恵を絞り工夫」できる人材

が必要になります。

以下にいくつかのAIのマーケティング・営業活用の際のヒントをあげておきます。

  • AIは使ってナンボ:最初は試行錯誤でも、現場が手を動かして初めて実務に使える様になる
  • チャットボットが社員教育の壁打ち役:社員のスキルアップにもまずAIを触らせてみるのが一番。
  • 現場と戦略の"両輪"で使い分ける:ChatGPTでスピードと創造力、Geminiでデータ分析・戦略性を上げる
  • 顧客目線へのシフトをAIで加速:営業も企画も「売る」から「選ばれる」への転換が必要。
  • 「どのAIに頼るか」より「目的を明確にして使う」:AIは手段。組織の目的や顧客の課題を明確にした上で使い倒す

◾️ まとめ

AIは人間の「想像力」と「工夫力」を高めてくれる最高のパートナーです。
「これからの時代にAIが不可欠なのは分かった。でも、正直まだ不安なんだよな......」という経営者や現場リーダーの方は、まず一度手を動かしてみてください。

この記事について動画でも説明していますので、参考にしてください。

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執筆者

マーケティングアイズ株式会社 代表取締役 理央 周(りおう めぐる)
家電メーカー、石油会社、大型車両メーカー、高機能フィルムメーカー、建築部品メーカーなどに、新規事業立ち上げ・ブランド構築のコンサルティングと、顧客視点の顧客文化にするマーケティング社員研修を提供。 2013年より2024年まで、関西学院大学 経営戦略研究科で教授を務める。
著書は「売れない問題 解決の公式」(日本経済新聞出版)など国内外で24冊。米国、台湾、香港など海外でも講演。テレビ、ラジオの出演や新聞・雑誌への寄稿も多数。YouTubeでも最新のマーケティング情報を発信中。 本名 児玉洋典 

AIを使いこなせるマーケターを育てたい、AIを営業に取り入れたい、新しいビジネスを軌道に乗せたい、など、
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