【図解と事例で解説!】成果を出せるSNSマーケティング〜デジタルマーケティングとの違い

◾️ 【マーケティング担当必見!】S N Sをマーケティングに使うには

インスタグラムやX、FacebookなどのSNSは、便利で媒体費もかからなくビジネスでも有効なツールです。実際にやっていて、フォロワーからの反応も見えるし、何より楽し苦気軽にやることができます。

一方で、ビジネスで使う場合に、
「いいねやコメントをもらえない」
「頑張ってやっているのに、なかなか売り上げにつながらない」
という悩む企業の担当者や事業主が多いのも事実です。

企業のS N S担当者や、個人事業主、中小企業の経営者が、SNSをマーケティングで活用し、成果を出すは何をすればいいのか?をお話しします。

S N Sで成果を出すには「投稿の頻度を上げる」「バズりを狙う投稿をする」「映える画像を撮る」「フォロワーを増やす」などという"S NSのやり方"から入りがちです。しかし、何をやるかという手法も大事ですが、やり方を考える前に目的と戦略をはっきりさせることが、成功への近道なのです。

この記事ではS N Sをマーケティングで活用し成果を出すために以下について説明します。

  • S N Sとは何か?:他のWebメディアと何が違うのか?S NSの特徴を理解する
  • S N Sの目的:何のためにS N Sをやるのか?認知度アップか集客か
  • S N S戦略:押さえておくべきポイントについて
  • SNSがバズる理由
  • S N Sマーケティングの注意点

◾️ SNSとは何か?〜他のWebメディアとの違いとS NSの特徴

まず、S N Sとは何か?を定義していきます。
S N Sはソーシャルネットワーキングサービスの略語です。

定義をすると「人々が交流し、情報を共有するオンライン上の場所」と言えます。
具体的には、Facebook、Instagram、X(旧Twitter)などです。フォロワーやオーディエンス(見ている人)とコメントやいいね、などで交流ができるという意味では、YouTubeやTikTokなどもS N Sと言えます。

ホームページや、メールマガジン、Web広告などの通常のデジタルメディアとの違いは、見ている人たちがいいねやコメント、シェアができる「双方向性」と、リアルタイムで反応ができる「即時性」です。

このS N Sとデジタルマーケケティングを買い物に例えて説明します。

デジタルマーケティングは、大きなデパートに例えることができます。高島屋や伊勢丹のようなデパートには、いろんな種類の店やブランドが一堂に会し、お客様に幅広い選択肢を提供します。店内で使える販促ツールもさまざまで、ポスターや広告、メールマーケティングなど、顧客ニーズや行動に応じて使い分けることができます。デパートでは、戦略的な配置や効果的な広告でお客様の注意を引きつけるのが、購買につながる鍵になります。

一方で、SNSは例えるなら「活気に満ちた市場の広場」のようなものです。広場では、いろいろな人たちが集り、楽しそうに会話をしながら、情報や意見を共有します。そこにはいろんなスタンドや店が並んでいて、それぞれが自分の商品をアピールしています。広場に来ている人の関心を引きつけるために、目を引くP O Pや話題の商品が必要です。

そしてなによりも、訪れる人々との会話や交流を通して、信頼関係を築くことが大切です。

SNSとデジタルマーケティングは、それぞれが異なる特徴と機能を持ちながら、顧客とのコミュニケーションや商品の販売において重要な役割を果たしています。

ここで重要なことは、広場とデパートには来る人の目的が違うという点です。デパートに来る目的はショッピングですが、広場に来る人はフラッと"楽しみ"に来るのです。買い物もするかもしれませんが、それは主な目的ではありません。

同じように、S N Sに来る人とホームページに来る人の目的が異なり、S N Sは交流したい、楽しみたいというのが主な目的の場所です。なので、S N Sで過度な宣伝や売り込みをしても効果はなく、逆に「うざい」「面倒だ」と思われフォローをはずされてしまうことになってしまいます。

◾️ S N Sとデジタルメディアの具体的な比較

SNSの特徴と、他のデジタルメディアの違う点について具体的にまとめます。

1. 双方向性

ユーザー同士の双方向のコミュニケーション、たとえばコメント、いいね、シェアができますよね。これが増えてくると、S N Sのタイムラインにより多く出てくるようになるので、相乗効果になるんです。

ニュースサイトやブログのような他のメディアでは、一方通行な情報の提供がメインですから、見た人たちの反応を得ることは、限られてしまいます。

2. コンテンツをユーザーが作るという点

SNSはユーザー自身がコンテンツを作って、共有するので、個人の声や経験が強調されます。
他のメディアでは、専門的なコンテンツや公式情報がメインなので、
個人の意見や体験よりも、専門的な情報提供が目立ちます。

なので、S N Sの方が親しみやすさ、身近さを出せるのです。

3. ネットワーキングできるということ

SNSでは、友達やフォロワーといった、ネットワークを通じて情報が広がるのが特徴です。
他のメディアでは、検索エンジンやリンクによる情報の広がりが主なので、検索対応や広告が情報拡散の鍵になります。

4. リアルタイム性

SNSでは、リアルタイムに情報が共有されて、それに対するフィードバックが出てきます。だから、トレンドやイベントを投稿するとすぐに反応がきます。
バズりやすいのもこのリアルタイム性ですよね。

他のメディアでは、情報の更新が不定期または遅れがちです。
リアルタイムのイベントに追いつくのが難しい場合も多いです。

こういう他のデジタルメディアとは違う特徴を活かして、SNSを使っていくことで成果を出すのです。

◾️ なぜ、S N Sではバズるのか?

S N Sで情報が拡散することを「バズる」と言います。バズりの語源は「蜂がぶんぶんと飛ぶ音=英語の"buzz"」から来ています。この音が周囲の人々に「騒がしい」印象を与えることから、話題が広がる様子を比喩的に表すようになりました。

このように、人の口から口へと伝えていくいわゆる口コミのマーケティング手法です。実は、古くから使われているマーケティング手法なのです。

なぜ、バズるのか?を以下の図を使って説明します。

SNSマーケティングでバズる仕組みと理由.png

この図の中心にいるあなたが、XやインスタグラムのようなS N Sで発信したとします。
そうすると、この図にあるあなたと直接繋がっているフォロワーたちは、あなたの投稿を見ることができます。

一方で、左の緑の枠の中にいるあなたと直接繋がっていない、フォロワーのフォロワーは、基本的にあなたの投稿を見ることはできません。しかし、あなたのフレンドが、あなたの投稿にいいねやコメント、シェアといった反応をした場合は、あなたと繋がっていない"フォロワーのフォロワー"でもあなたの投稿を見る可能性があるのです。

このように、投稿に対するいいねやコメントのような反応、エンゲージメントと呼びます、があれば、どんどん広がっていくのです。

そして重要なことは、見ている人がどんな時にエンゲージメントするのか?という点です。

それは「そうだよね」とか「そういうことあるある」「面白い」と"共感"したときですよね。けして、売り込みには共感しません。この点がS N Sマーケティングの基本になるポイントです。

◾️ S N Sがバズる具体的な理由

SNSで「バズる」現象が起こる理由は、以下のような心理的、技術的、文化的な要因が関係しています。それぞれが相互に作用し、情報が爆発的に広がる仕組みを作り出しています。

1. 人間の心理的要因

(1) 共感と感情の共有

人は感情を共有したいという本能があります。
特に、驚き・喜び・怒り・悲しみといった強い感情を喚起するコンテンツは、人々に「誰かと共有したい」と思わせます。
例:感動的な動画、衝撃的なニュース、面白いミーム。


(2) 社会的証明の心理

人は他人の行動を参考にします。多くの「いいね」やリツイートがついている投稿を見ると、「自分も関与したい」と思う傾向があります。
例:人気のツイートや動画ほどさらに拡散される。

(3) 自己表現と承認欲求

人は自分の意見やセンスをアピールしたいと思うもの。興味深いコンテンツをシェアすることで、自分の価値観や人間性を表現しようとします。


2. 技術的要因

(1) アルゴリズムの最適化

SNSプラットフォーム(Twitter, Instagram, TikTokなど)は、話題性の高い投稿を優先的に表示するアルゴリズムを採用しています。
いいね・シェア・コメントといったエンゲージメントが高い投稿は、さらに多くの人に表示され、バズが拡大します。

(2) 拡散力の高さ

SNSはネットワーク構造になっており、1人がシェアすれば、そのフォロワー、さらにそのフォロワーへと情報が伝播します。
特にネットワーク効果(ネットワークが大きいほど価値が増す効果)が作用し、短時間で広がります。

3. 文化的・時代的背景

(1) 短い注意スパン

現代では、人々の注意を引く時間が短縮されています。SNSの短い投稿や動画形式(例:TikTok、Instagramリール)はこの特性に合致しており、簡単に目を引くことができます。

(2) トレンド追従


SNSでは「トレンド」がすぐに形成され、人々はその流行に乗り遅れまいと行動します。これがさらに拡散を加速させます。
例:ハッシュタグ(#)の活用や話題性の高いチャレンジ動画。

(3) グローバルなつながり


SNSは時空間の壁を越え、どこからでもアクセス可能。そのため、共感できるコンテンツが世界中で瞬時に広がります。

4. 具体的な事例

(1) エモーショナルなコンテンツ

動物の感動的な動画や人助けのストーリー。
心を揺さぶる内容は「バズり」の王道。

(2) ユーモアや驚き

面白いミームや予想外の展開を持つ動画は話題になりやすい。

(3) インフルエンサーや有名人の影響

フォロワー数が多い人が投稿をシェアすると、瞬時に大量の人々に拡散。

バズる仕組みを活用するには、以下のような点に注力するといいでしょう。

  • 感情を刺激する(驚き、喜び、共感などを狙う)
  • 視覚的にわかりやすい(画像や短い動画で直感的に伝える)
  • トレンドやハッシュタグを活用
  • シェアしたくなる価値を提供(情報、楽しさ、自己表現の材料)

SNSのバズは、感情とテクノロジー、時代の文化が組み合わさって生まれる現象と言えます。

◾️ S N Sをマーケティングに使うコツ

上記を踏まえて、SNSを集客やブランド周知に使う「コツ」を3つ挙げます。

1.    ターゲットを明確にすること

SNSでも、ターゲットになるオーディエンスをはっきりさせることが重要です。あなたの製品やサービスに興味を持つ可能性のある人々を狙っていくわけです。この時に、年齢や性別だけではなく、何に興味・関心があるかなど、価値観や心理に重点をおいたターゲット設定が効果的です。 ターゲットに合ったSNS、例えば、若者向けならInstagramやTikTokを選ぶこと、そして投稿の内容もターゲットに響く表現にしてくことが大事です。

2.    魅力的なビジュアルコンテンツを使うこと

SNS上で高いエンゲージメントを得るには、画像や動画がカギになります。YouTubeではサムネイルが大事ですよね。目を引くビジュアル、鮮明な色使い、クリエイティブなデザインで、ユーザーの注意を引きましょう。

3.    双方向のコミュニケーションをする

コメント、シェア、いいねなど、ユーザーが反応してくれるコンテンツを作成します。クイズ、アンケート、コンテストみたいな、ユーザー参加型のアクティビティを取り入れると良いでしょう。
そして、ユーザーからの反応に即座に返すこと、コメントバックとか、をまめにしていくと、相手の反応も増えますよね。

◾️ SNSの集客・広告利用の注意点

S N Sマーケティングにおいて注意する点をいかに3点挙げておきます。

投稿頻度

頻繁すぎる投稿は避けたいところです〜投稿が多すぎると、フォロワーは面倒だ、とフォローをはずされます。質の高いコンテンツを適切なタイミングと頻度で投稿することが大切です。

ネガティブな反応に注意

SNSではいいことばかりではなく、否定的な意見や批判も即座に広がることがあります。当たり前ですが、公共の場でのマナーや品位を守って、不適切なコンテンツになっていないかをチェックするのが大事です。会社で組織としてやる時には、この辺りのガイドラインがあるといいですよね。

データの分析と改善 

投稿の反応を定期的に分析し、効果の低い投稿を見直すと、より良くなっていきます。エンゲージメント率、リーチ、コンバージョンなどの指標を追跡し、必要に応じて戦略を調整します。小さく産んで大きく育てる、がマーケティングの大原則です。

これらのコツと注意点を意識することで、効果的に活用し、集客や広告の成果を最大化することができます。

ここまでまとめてきたように、S N Sはフォロワーやフレンドとの相互のコミュニケーションが最重要です。あなたが見ている立場になるとわかると思いますが、売り込みや押し売りはやっぱり嫌なものです。売ろうとするのではなく、共感してもらう、が鍵です。

SNSマーケティングでは、ただ情報を発信するだけでなく、お客様やユーザーとのコミュニケーションを深めることから始めましょう。そして、彼らのニーズに合わせたコンテンツを提供することで成果につながっていくのです。

この記事について以下の動画でも説明しています。

執筆者

マーケティングアイズ株式会社 代表取締役 理央 周(りおう めぐる)
石油会社、家電メーカー、大型車両メーカーなどに、新規事業立ち上げ・ブランド構築のコンサルティングと、法人営業にマーケティングを注入する社員研修を提供。 2013年より2023年まで、関西学院大学 経営戦略研究科で教授を務める。
著書は「売れない問題 解決の公式」(日本経済新聞出版)など国内外で23冊。米国、台湾、香港など海外でも講演。テレビ、ラジオの出演や新聞・雑誌への寄稿も多数。YouTubeでも最新のマーケティング情報を発信中。 本名 児玉洋典 

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