Web集客(ネット集客)でのコツとは?:BtoC・BtoB別の効果的な戦略・失敗事例と成功事例・実践方法

◾️ 【経営者必見‼️】Web集客を成功させるためには?

「ホームページを作ったのに問い合わせが全然来ない」
「SNSを頑張っているのに集客に繋がらない」
「広告費をかけているのに売上に反映されない」

「Web集客」について、このような悩みを抱える企業も多くあります。

この記事では、「Web集客をどうやって成功させるか?」というテーマで、私が日々現場でお伝えしている考え方や、実際の企業事例を交えて説明します。

Web集客は魔法ではないので、SNSをやった、ホームページを改善した、デジタルツールを取り入れた、という一時的な施策だけではうまくいきません。正しく設計し、戦略的に取り組むことで、成果を出していくのです。
Webマーケティングの全体像については、以下の記事で詳しく説明していますので、参考にしてください。
▶️ Webマーケティングとは?SNS活用とWeb施策を事例で解説

では、なぜうまくいかないのでしょうか?その原因と対策、そして成功する企業に共通する考え方について、詳しく解説していきます。最後まで読んで、明日からすぐに実践できる具体的なアクションプランを手に入れてください。

      目次
  1. ◾️ 【経営者必見‼️】Web集客を成功させるためには?
  2. ◾️ Web集客のキモは顧客心理と行動パターン
  3. ◾️ Web集客で失敗する5つの致命的パターン
  4. ◾️ 成功事例から学ぶ実践的な集客ノウハウ 
  5. ◾️ 今日から始められる具体的なアクションプラン 
  6. ◾️ Web集客成功への3つの鉄則 

◾️ Web集客のキモは顧客心理と行動パターン

Web集客顧客心理比較表.png

実際に、私への相談の90%は、同じようなパターンの失敗から生じています。
しかし、この失敗パターンを理解し、適切な対策を講じることで、Web集客を成功に導くことができます。

BtoCとBtoBでは顧客の購買心理と行動が異なる

Web集客で成功するために最初に理解すべきは、BtoCとBtoBでは顧客の購買心理と行動パターンが根本的に異なるという点です。多くの企業がこの違いを理解せずに、間違ったアプローチを継続してしまっています。

まず、BtoCの場合は、顧客の心理が「感情」や「共感」に動かされやすく、購入の意思決定も比較的スピーディーです。そのため、SNSやオンライン広告、口コミといったチャネルを活用し、「面白そう」「欲しい」と思わせるようなイメージ重視のコンテンツや体験談、レビューが効果的です。ここでは、話題性や拡散力が集客のカギとなり、データをもとにクリエイティブや導線を改善していくことが重要です。

一方で、BtoBの場合は、顧客が論理的に情報を比較検討し、信頼できるかどうかを重視します。購買プロセスも複数人による稟議や長期的な検討が必要なため、オウンドメディアやSEO、マーケティングオートメーション、オンラインセミナーなど、専門性や信頼性を伝えるチャネルが有効です。

発信するコンテンツも、技術解説や事例紹介など、より専門的で具体的な情報が求められます。BtoB集客の成功には、リードの育成や稟議プロセスのサポート、そしてデータ分析をもとに導線やコンテンツを最適化する地道な改善が欠かせません。

このように、BtoCは「共感・拡散・話題化」を、BtoBは「信頼・専門性・リード育成」を軸に、それぞれ顧客心理と購買行動に合わせた戦略を立てることが、Web集客成功のポイントです。

【事例】BtoCでの効果的な集客手法

BtoCの場合、個人のお客様は「感情で購入を決定し、理屈で正当化する」という行動をします。例えば、カフェに行こうと思うとき、「今日は疲れたから美味しいコーヒーでも飲もう」という感情が先に来て、その後で「仕事の効率も上がるし、リフレッシュできる」と理屈をつけるのです。

また、BtoCでは即決性が高く、口コミやレビューの影響を強く受けるという特徴があります。そのため、効果的な集客チャネルとしては以下のようなものが挙げられます。

  • Instagram・TikTok:ビジュアルを重視した感情に訴えかけるコンテンツ
  • Google広告:検索意図が明確で購買意欲の高いユーザーへのアプローチ
  • インフルエンサーマーケティング:信頼できる第三者からの推薦効果

地域密着型のカフェの事例を紹介します。

このカフェは、Instagramで「今日のほっと一息」というテーマのもと、日常の癒しシーンを継続的に投稿しました。商品の写真だけでなく、お客様がくつろいでいる様子や、季節感のある店内の雰囲気を伝えることで、「#○○カフェ」というハッシュタグでのユーザー生成コンテンツ(UGC)の創出にも成功しました。

その結果、3ヶ月で来店客数が倍以上に増加し、月間売上も大幅に向上させることができました。

【事例】BtoBでの効果的な集客手法

一方、BtoBの場合、顧客企業側は契約についてロジカルに判断します。

企業の担当者は「この投資でどれくらいのROI(投資収益率)が得られるのか」を慎重に検討し、検討期間も3ヶ月から6ヶ月と長期間にわたることが一般的です。また、意思決定者が複数存在することも多く、それぞれの立場や関心事に応じたアプローチが必要になります。

BtoBでの効果的な集客チャネルは、BtoCとは違うものになってきます。

  • LinkedIn:専門性をアピールし、業界内での信頼性を構築
  • ホワイトペーパー:専門知識を提供し、見込み客の課題解決を支援
  • ウェビナー:長期的な信頼関係を構築し、段階的にニーズを育成

成功事例として、IT企業のSaaSサービスの事例をご紹介します。この企業は、業界特化型のコンテンツマーケティングに注力し、「製造業のDX推進」「小売業の在庫管理最適化」など、ターゲット業界の具体的な課題に対するソリューション記事を継続的に発信しました。
また、無料の業務効率診断ツールを提供することで、見込み客との接点を創出し、段階的に関係性を深めていく仕組みを構築しました。その結果、検索エンジンでの上位表示を実現し、月間の資料ダウンロード数を10倍に増加させることに成功しています。

◾️ Web集客で失敗する5つの致命的パターン

私がこれまで数多くの企業のWeb集客をサポートしてきた中で、失敗する企業には共通したパターンがあることが分かってきました。以下の5つのパターンのうち、1つでも該当するものがあれば、早急な改善が必要です。

パターン1:ターゲット設定の曖昧さ

最も多く見られる失敗パターンが、ターゲット設定の曖昧さです。「20代から40代の女性」「中小企業向け」といった漠然とした設定では、誰にも響かないメッセージになってしまいます。

20代の独身OLと40代の主婦では、抱えている悩みも情報収集の方法も購買パターンも全く異なります。BtoB企業においても、「中小企業向け」では業界も規模も課題も不明確で、効果的なアプローチができません。

改善策:ペルソナを具体化し、年収・職業・悩み・情報収集方法まで詳細に設定する

例:「32歳、共働き、子供1人、年収450万円、時短勤務で平日夜にスマートフォンで情報収集、子育てと仕事の両立に悩みを抱える」
BtoBの場合:「従業員50名の製造業、品質管理部門の課長、40代、現行システムの老朽化に課題を感じ、上司への提案資料作成のため平日昼休みに情報収集を行う」

ペルソナの作り方については以下の記事で詳しく説明しているので、参考にしてください。
▶️ ペルソナの作り方〜売上増につなげる作成方法、意識統一、社内浸透までのプロセス

パターン2:コンテンツとチャネルのミスマッチ

コンテンツの内容と配信するチャネルがマッチしていないケースも頻繁に見受けられます。BtoB企業がTikTokで商品紹介を行ったり、高額商品をInstagramだけで販売しようとしたりするような事例です。

改善策:カスタマージャーニーマップを作成し、各段階に適したチャネルを選択する

認知段階では幅広いリーチが可能なSNSを活用し、検討段階では詳細な情報提供ができるウェブサイトやホワイトペーパーを、購入段階では信頼性の高いメールや電話でのフォローを行うなど、段階に応じたチャネル選択が重要です。

パターン3:測定指標の間違い

「フォロワー数が1000人増えました」「今月のPV数が過去最高を記録しました」といった報告をよく耳にしますが、これらの指標が売上に直結していなければ意味がありません。

改善策:売上に直結する指標を設定し、ファネル分析で改善ポイントを特定する

重要な指標は以下の通りです:

  • コンバージョン率(CVR)
  • 顧客獲得単価(CPA)
  • 顧客生涯価値(LTV)
  • 商談化率(BtoBの場合)

これらの指標を定期的にモニタリングし、改善サイクルを回していくことが成功への近道です。

パターン4:短期思考による早期諦め

「1ヶ月間取り組んだが効果が見られない」という理由で施策を中止してしまうケースが非常に多く見られます。特にSEO対策においては、Googleに認識され、検索結果に反映されるまでに最低でも3ヶ月、場合によっては6ヶ月以上の時間を要します。

改善策:中長期的な視点での取り組みと、短期的な成果測定指標を併用する

長期的な目標(SEO順位向上、ブランド認知度向上など)と短期的な指標(広告のクリック率、メルマガ開封率など)を分けて設定し、継続的な改善を行うことが重要です。

パターン5:競合分析不足による差別化の欠如

自社の強みは理解しているものの、競合他社がどのような戦略を取っているかを把握していない企業が多く存在します。お客様は必ず比較検討を行うため、「他社と何が違うのか」を明確に答えられなければ、価格競争に巻き込まれてしまいます。

改善策:定期的な競合分析と独自の価値提案(Unique Value Proposition)の明確化

競合他社のウェブサイト、SNS、広告戦略を定期的に分析し、自社の差別化ポイントを明確にしましょう。その上で、お客様にとってのメリットを分かりやすく伝える価値提案を作成することが必要です。

◾️ 成功事例から学ぶ実践的な集客ノウハウ

理論だけでは実践につながらないので、以下の事例を通じて、具体的な改善手法をご紹介します。

BtoC成功事例:オンライン英会話スクールの改善

背景と課題

あるオンライン英会話スクールは、大手企業との差別化が困難で、体験レッスンへの誘導率が低い状況でした。一般的な「英語を学びたい人」というターゲット設定では、数多くの競合との違いを示すことができず、価格競争に陥っていました。

実施した戦略

ターゲットの大幅な絞り込み 「海外転勤を控えた30代のサラリーマン」という具体的なペルソナを設定しました。この層は、明確な目的と期限があり、高い学習意欲を持っているという特徴があります。

専門性の高いコンテンツ戦略 実際に海外勤務を経験した講師陣による体験談をブログとYouTubeで継続的に発信しました。「現地でこのような失敗をした」「こんな英語表現が必要だった」といったリアルな体験談は、ターゲット層に強く響きました。

信頼構築のための無料ツール提供 「海外勤務英語力診断」という無料診断ツールを開発し、現在の英語力と海外勤務に必要なレベルのギャップを可視化しました。

限定感のあるサービス設計 「転勤前90日間集中プログラム」という期間限定かつ目的特化型のサービスを開発し、緊急性と専門性を同時に訴求しました。

期待すべき成果

体験レッスン申込率のアップ・月間の向上・顧客満足度の向上・継続率のアップ

この事例から学べる重要なポイントは、ターゲットを絞り込むことで、より深いニーズに応える専門性の高いサービスを提供できるということです。

ターゲットの絞り込みについては、以下の記事で説明しているので参考にしてください。
▶️ STP分析とは?目的、やり方、活用方法とAmazonの事例で解説

BtoB成功事例:製造業向けIoTソリューションの商談化率向上

背景と課題

製造業向けのIoTソリューションを提供する企業は、技術的な専門性が高すぎて見込み客への説明が困難で、導入決定まで平均8ヶ月という長期間を要していました。また、商談化率も低く、マーケティング効率の改善が急務でした。

実施する戦略

1) 教育型コンテンツによる関係構築

「製造業DX入門」というウェビナーシリーズを月2回のペースで開催し、売り込みではなく教育に重点を置いたアプローチを採用しました。

2) 段階的な関係構築システム

無料診断 → セミナー参加 → 個別相談という段階的なファネルを構築し、各段階で適切な情報提供を行いました。

3) 具体的な成果事例の活用

同業他社の導入事例を数字付きで紹介し、ROIを明確に示すことで、意思決定者の論理的判断を支援しました。
意思決定支援ツールの提供 導入効果をシミュレーションできるツールを開発し、見込み客が社内で提案しやすい資料を提供しました。

期待すべき成果

商談化率の改善・平均受注単価の向上・導入決定までの期間短縮

この事例では、BtoBの特徴である「論理的判断」と「長期的な検討プロセス」に対応した戦略が功を奏しました。

◾️ 今日から始められる具体的なアクションプラン

理論と事例をセットで説明してきました。あなたのビジネスに当てはめて考えた上で、実際に取り組んで欲しい具体的なアクションプランを提示します。

Step1:現状分析(実施期間の目安:1週間)

Google Analyticsによる流入分析

  • どのチャネルから訪問者が来ているか
  • どのページでの離脱率が高いか
  • コンバージョンに至るまでの導線を確認

問い合わせフォームの改善点調査

  • フォームでの離脱率を確認(50%以上の場合は要改善)
  • 入力項目数や必須項目の見直し
  • フォーム到達からの完了率を測定

競合他社の戦略調査

  • 主要競合3社のウェブサイト、SNS戦略を分析
  • 検索結果での競合の出現状況を確認
  • 競合の価値提案と自社との差別化ポイントを整理

Step2:クイックウィン(短期的にできる)施策(実施期間:1ヶ月)

BtoC企業向けの優先施策

Googleマイビジネスの最適化

  • 営業時間、住所、電話番号の正確な登録
  • 魅力的な店舗写真の追加(最低10枚以上)
  • 顧客レビューへの丁寧な返信(24時間以内を目標)

既存顧客の声の活用

  • 満足度の高い顧客へのレビュー依頼
  • 顧客の使用シーンや効果を写真付きで収集
  • SNSでの顧客投稿のシェアと感謝のコメント

SNSプロフィールの最適化

  • プロフィール文の見直し(何ができるかを明確に記載)
  • 投稿の統一感を意識したビジュアル戦略
  • ストーリーズ機能を活用した日常的な情報発信

BtoB企業向けの優先施策

会社案内の課題解決型への変更

  • 「私たちについて」→「お客様の課題解決について」
  • 導入事例を数字付きで具体的に記載
  • 業界別・規模別の成功事例を整理

資料請求フォーム(EFO Entry Form Optimaization)の最適化

  • 入力項目を最小限に絞る(5項目以内)
  • 資料の内容を具体的に説明
  • ダウンロード後のフォローアップメール設定

LinkedInでの情報発信開始

  • 業界の最新トレンドに関する見解を週2回投稿
  • 自社の専門知識を活用した教育的コンテンツの作成
  • 業界関係者との積極的なネットワーキング

Step3:本格施策(実施期間:3ヶ月継続)

SEO対策記事の継続投稿

  • ターゲットキーワードの選定と記事企画
  • 月4本以上の高品質記事の継続投稿
  • 内部リンクの最適化と記事間の連携強化

広告運用の最適化

  • A/Bテストによる広告文とクリエイティブの改善
  • ターゲティングの精緻化と無駄な配信の削減
  • ランディングページと広告の整合性向上

メール・LINE配信の自動化

  • 顧客の行動に応じたシナリオメールの設定
  • セグメント別の配信内容カスタマイズ
  • 開封率・クリック率の継続的な改善

◾️ Web集客成功への3つの鉄則

これまでお伝えしてきた内容を踏まえ、Web集客で成功するための3つの鉄則として、まとめます。

鉄則1:ターゲットを絞り込む

100人に好かれるより、10人に愛される方がビジネスとして成功します。ターゲットを絞り込むことで、より深いニーズに応える専門性の高いサービスを提供でき、結果として高い顧客満足度と収益性を実現できます。

鉄則2:顧客目線で価値提供する

自分たちが売りたいものではなく、お客様が求めているものを提供することが成功の鍵です。常に「お客様にとってどのような価値があるか」を考え、その価値を分かりやすく伝える努力を継続してください。

鉄則3:継続的改善のサイクルを回す

仮説を立て、実行し、検証し、改善するというPDCAサイクルを高速で回すことが重要です。一度の施策で完璧な結果を求めるのではなく、小さな改善を積み重ねることで大きな成果を生み出すことができます。

次のステップ:今日からの行動

この記事を読んでいただいた皆様への具体的な行動提案をいたします。
まずは、今日から1週間以内に、自社のターゲットを1つに絞り込んでください。そして、

そのターゲットのために今日からできることを1つ決めて、必ず実行に移してください。

小さな一歩でも構いません。重要なのは、今日この瞬間から行動を開始することです。

Web集客は決して難しいものではありません。正しい方向性で継続的に取り組めば、必ず成果を出すことができます。皆様のWeb集客成功を心より応援しています。

このブログでは、マーケティングや営業に役立つ記事を掲載しています。 他の記事も読み、ビジネスの参考にしてください。

執筆者

マーケティングアイズ株式会社 代表取締役 理央 周(りおう めぐる)
家電メーカー、石油会社、大型車両メーカー、高機能フィルムメーカー、建築部品メーカーなどに、新規事業立ち上げ・ブランド構築のコンサルティングと、顧客視点の顧客文化にするマーケティング社員研修を提供。 2013年より2024年まで、関西学院大学 経営戦略研究科で教授を務める。
著書は「売れない問題 解決の公式」(日本経済新聞出版)など国内外で24冊。米国、台湾、香港など海外でも講演。テレビ、ラジオの出演や新聞・雑誌への寄稿も多数。YouTubeでも最新のマーケティング情報を発信中。 本名 児玉洋典 

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