ランディングページ(LP)とは?【完全ガイド】初心者でも成果が出る設計、構成、作成、から最適化のポイントと成功&失敗事例

◾️ 【初心者必見!】ランディングページとは?
ランディングページという単語を、Webマーケティングをしている方なら一度は耳にしたことがある言葉ではないでしょうか?
一方で、「ランディングページってなに?」「ホームページとどう違うの?」「どうやって作ればいいの?」と疑問を持っている方も多いはずです。
ランディングページについて知りたい、収益につながる作成の方法を知りたい、という方はぜひ一度読んでみてください。
- 目次
ランディングページとは「ただのWebページ」ではないのです。
ランディングページは、次のような目的で作成をします。
特定のマーケティング目的のために作られた、単一目的のウェブページ
広告やメール、SNSなどのリンクをクリックした後に訪問者が、"着地(ランド)"する場所という意味でランディングページと呼ばれています。
一般的なウェブサイトが様々な情報や選択肢を提供するのに対し、ランディングページは訪問者の「資料ダウンロード」「申し込み」「購入」など、ただ一つの明確な行動を促すことに特化して作成をします。
ランディングページは"訪問者すなわち見込み顧客を顧客に変える橋渡し役"ととして機能させるのです。
◾️ ランディングページとホームページとの違い
ランディングページをより機能させるためには、ホームページとの違いを理解することが重要です。
ホームページが「会社の顔」となる総合案内所だとしたら、ランディングページは「成約のために特化した営業マン」(この場合のマンは男性という意味ではなく性別に関係ない人を指します)のようなものです。
訪問者を迷わせることなく、一つの明確な目的(資料請求、問い合わせ、購入など)へと導くために存在しています。そして何より「営業マンのクロージングトーク」のように、見に来た人に最終的な決断をしてもらうための"最前線"として働いてくれるのです。
ホームページが「会社について知りたい方はこちら、採用情報はこちら、お問い合わせはこちら...」と様々な選択肢を提示するのに対し、ランディングページは「この商品・サービスを申し込むにはこちらをクリック」という一点突破の構成になっています。
したがって、ランディングページは単に「最初に到達するページ」というだけでなく、明確な設計思想が必要になります。
それは「訪問者をコンバージョン(成果)へと導くこと」です。この一点に絞られた目的を持つページ、それがランディングページ作成に必要なことなのです。
◾️ ランディングページがなぜ重要なのか?:マーケティング戦略における役割
なぜ、ランディングページが重要なのでしょうか。それは、
広告やマーケティングキャンペーンの成果を大きく左右する存在だからです。
どれだけ素晴らしい広告を打っても、どれだけSNSで注目を集めても、クリック後のランディングページがその期待に応えられず、収益につながらなければ投資したマーケティング予算が回収できません。
1)導線としての価値
デジタルマーケティングにおいて、ランディングページは「導線の終着点」として重要な役割を担っています。例えば、
- ブログなどのオウンドメディアからの流入
- Google・Yahoo!などの検索広告
- Instagram・Twitterなどのソーシャルメディア広告
- メールマガジンのリンク
というような導線の成果を、ランディングページは「最終的な成果を得るために刈り取る場所」として機能させるのです。
2)リード獲得・顧客化の導線としての価値
特にBtoB企業においては、広告やSNSを見た潜在顧客が、いきなり契約に至るケースはほぼありません。
「見込み客(リード)の獲得→育成→顧客化」というプロセスを踏み、自社を理解してもらいながら契約に導いていきます。
このステップについては以下の記事で詳しく説明しているので、参考にしてください。
▶️ 営業効率と売上を上げるマーケティング的セールスファネルの作り方
最初の重要なステップの「リード獲得」において、ランディングページは重要な役割を果たします。
「資料ダウンロード」「無料相談」「メルマガ登録」など、見込み顧客との初期接点を作るための重要なタッチポイントとなるからです。
また、顧客化の最終段階においても、「申し込みページ」としてのランディングページは購入の決断を後押しする重要な役割を担います。
この「リード獲得から顧客化まで」の各段階に適したランディングページを用意することで、マーケティングファネル全体の効率を大幅に高めることができるのです。
◾️ 成果を出せるコンテンツの作り方
ランディングページ制作で最も重要なことは
「自社視点ではなく、顧客視点でコンテンツを設計すること」
です。
多くの企業は、「自社の商品・サービスがいかに素晴らしいか」を一方的に語ってしまいます。しかし、顧客が本当に知りたいのは「その製品やサービスが自社・自分にとってどんな価値があるのか」という点です。
顧客視点でのランディングページを作成するのに重要な点をいくつか挙げていきます。
ペルソナに基づいた設計
効果的なランディングページ作りの第一歩は、明確なペルソナ(理想的な顧客像)の設定です。
- 誰のために書くのか?(年齢、性別、職業、役職、課題など)
- 何を伝えるのか?(解決できる問題、提供できる価値)
- どう動いてもらうか?(期待する行動、コンバージョン)
これらを明確にしておくことで、ランディングページのすべての要素を一貫した方向性で設計することができます。
例えば、「人事担当者向けの採用管理システム」を提供する場合、「採用業務の効率化に悩む中小企業の人事担当者」というペルソナを設定し、「採用業務の工数を70%削減できる」という価値を伝え、「無料デモの申し込み」というアクションを促すといった具合です。
ベネフィット訴求
「機能(What)」ではなく「ベネフィット(So What)」を訴求することが重要です。
例えば、「AIによる自動マッチング機能」という機能よりも、「選考時間を1/3に短縮し、最適な人材を見逃さない」というベネフィットの方が遥かに訴求力があります。
常に「だから何?」と問いかけ、その機能によってユーザーが得られる具体的なメリットを明確に伝えましょう。
社会的証明・権威性
人は「他の多くの人が選んでいるもの」や「権威ある人・組織が推奨するもの」に安心感を覚えます。これを「社会的証明」と呼びます。
効果的なランディングページには、以下のような社会的証明の要素が含まれています。
- 導入企業数や利用者数(「1,000社以上が導入」など)
- 具体的な成功事例(「売上が130%向上」など)
- 顧客の声・推薦文(できれば写真付き)
- メディア掲載実績
- 受賞歴や認証
これらの要素は、ただ掲載するだけでなく、可能な限り具体的な数字や証言を含めることで説得力が増します。
FAQや保証の提示
購入や申し込みの前に、ユーザーは様々な疑問や不安を抱えています。それらを先回りして解消することで、コンバージョンへの障壁を下げることができます。
- よくある質問(FAQ)
- 返金保証・安心保証
- 導入までの流れや所要時間
- 料金体系の透明性
特に料金や契約条件についての不透明さは、ユーザーの不信感を招く大きな要因です。可能な限り明確に提示しましょう。
共感を生むコピーライティング
ランディングページのテキストは、「問題提起→共感→解決策提示→行動喚起」という流れで構成するのが効果的です。
特に導入部分では、ターゲットが感じている「痛み」に共感することが重要です。「採用業務に追われて本来の業務ができていませんか?」「顧客管理の煩雑さにうんざりしていませんか?」など、ユーザーの抱える課題を言語化することで共感を生み出します。
FOMO(Fear Of Missing Out)の活用
「限定」「期間限定」「残りわずか」などの表現は、人間の「見逃すことへの恐怖(FOMO)」という心理を刺激します。例えば:
- 「先着100名様限定」
- 「今月末までの特別価格」
- 「残り3席のみ」
ただし、虚偽の希少性をアピールすることは信頼を損なうため、絶対に避けましょう。必ず事実に基づいた表現を心がけることが必要です。
◾️ 成功するランディングページの構成要素
効果的なランディングページは、以下の3つの主要セクションから構成されています。
1)ファーストビュー(最初に見える部分)
スクロールせずに最初に目に入る部分であり、ランディングページで最も重要なエリアです。ユーザーの多くは、このファーストビューだけで「続きを読むか離脱するか」を判断します。
ファーストビューに含めるべき要素は:
- キャッチコピー:提供する価値を一言で表現
- サブコピー:キャッチコピーを補足する2〜3行の説明
- アイキャッチ画像:製品やサービスのイメージを視覚的に伝える
- CTA(行動喚起)ボタン:期待する行動を明確に示すボタン
- 信頼性を示す要素:導入企業ロゴなど(可能であれば)
例えば、ビジネスチャットツールのランディングページなら以下のようにしていきます。
- キャッチコピー:「社内コミュニケーションを変革する、次世代ビジネスチャット」
- サブコピー:「メール往復時間の80%削減。情報共有のスピードが変わる。5分で導入完了。」
- アイキャッチ画像:実際の使用画面のスクリーンショット
- CTAボタン:「無料で30日間試してみる」
- 信頼性要素:「導入企業500社突破」のバッジと企業ロゴ
2)ボディ(本文部分)
ファーストビューで関心を持ったユーザーに対して、より詳細な情報を提供するセクションです。
主なコンテンツは:
- 商品・サービスの詳細説明
- 主な機能とそれぞれのベネフィット
- ユースケースや活用シーン
- 導入事例・顧客の声
- 比較表や数値データ
情報は「見出し→簡潔な説明→視覚資料(画像・図表)」というパターンで提示するのが効果的です。また、スクロールしながら読み進めるごとに、より詳細な情報を段階的に提供していく構成が理想的です。
3)クロージング(締めくくり部分)
最終的な行動を促すセクションです。ここまで読んできたユーザーの疑問や不安を解消し、行動に移してもらうための後押しをします。
含めるべき要素は:
- FAQセクション
- 導入の流れや手順
- 保証や特典の最終アピール
- 最終的なCTAボタン(大きめに)
- 必要に応じて入力フォーム
特に入力フォームを設置する場合は、必要最低限の入力項目に絞ることが重要です。項目が多いほどコンバージョン率は下がるため、この段階で必要な情報だけを収集するように心がけましょう。
4)モバイルファーストデザインの重要性
現在、多くのユーザーはスマートフォンからWebサイトにアクセスしています。そのため、PCではなく「モバイルでの表示」を第一に考えたデザイン設計が不可欠です。
モバイルでのポイントは:
- タップしやすい大きなボタン
- スクロールしやすいシンプルなレイアウト
- 読みやすいフォントサイズとコントラスト
- 表示速度の最適化
「PCで見栄えがする」より「スマートフォンで使いやすい」ことを優先して設計しましょう。
5)視覚的な構成(色・画像・余白など)
ランディングページの視覚的要素は、単に「見た目をよくする」だけでなく、ユーザーの行動を導くための重要な役割を果たします。
効果的な視覚デザインのポイントは:
- コントラスト:CTAボタンは背景と明確に区別できる色を使用
- 視線誘導:人物画像の視線をCTAに向ける
- 余白の活用:重要な要素の周りに余白を設け、視認性を高める
- 一貫性:色使いやフォントに一貫性を持たせる
- スキャナビリティ:見出しや箇条書きを活用し、斜め読みでも内容が把握できるようにする
6)信頼構築要素
ランディングページでは「信頼」を構築することが非常に重要です。以下の要素を適切に配置することで、訪問者の不安や疑念を払拭できます。
- 会社概要や運営者情報
- セキュリティバッジやプライバシーポリシー
- 実績数や導入企業ロゴ
- 具体的なデータや証言(「30日で売上20%アップ」など)
- メディア掲載実績
7)離脱防止・関心持続の工夫
ユーザーがページを離れる主な理由は「退屈」と「不信感」です。これらを防ぐために以下のような工夫が必要です。
- ストーリー性:単なる機能説明ではなく、「課題→解決→成果」というストーリーで構成
- 適切な情報量:必要な情報をコンパクトに、かつ分かりやすく提供
- 視覚的変化:文字だけでなく、画像、動画、図表などを交えて視覚的な変化をつける
- 読みやすさ:短い段落、小見出し、箇条書きを活用
- 先回り対応:想定される疑問や反論に先回りして答える
◾️ ランディングページを継続して最適化するテクニック
完璧なランディングページは一度で作れるものではありません。継続的なテストと改善を通じて、少しずつパフォーマンスを向上させていくことが重要です。
A/Bテスト
A/Bテストとは、2つのバージョン(AとB)を用意し、どちらがより効果的かを比較する手法です。
以下のような要素をテストの対象にします:
- ヘッドラインの文言
- CTAボタンの色・サイズ・文言
- 画像やビジュアル
- レイアウトやデザイン
- 価格表示方法
- 特典や保証の内容
効果的なA/Bテストのポイントは以下のようになります:
- 一度に変更するのは1つの要素のみ
- 十分なサンプル数(訪問者数)を確保
- 事前に「何をもって成功とするか」の指標を決定
- テスト期間を適切に設定(曜日や季節変動を考慮)
例えば、CTAボタンのテキストを「今すぐ申し込む」と「無料で始める」の2パターン用意し、どちらがクリック率が高いかを検証するといった形です。
ヒートマップやクリック分析
ユーザーの行動を視覚的に把握するためのツールとして、ヒートマップやクリック分析が有効です。
- ヒートマップ:ページ上でユーザーがどこに注目しているかを色で表示
- スクロールマップ:どこまでスクロールしているかを示す
- クリックマップ:どこをクリックしているかを表示
これらの分析から、例えば「多くのユーザーがCTAボタンまでスクロールしていない」「本来クリックできない場所を多くのユーザーがクリックしようとしている」といった課題を発見し改善をしていきます。
マイクロコピーの改善
マイクロコピーとは、ボタンのテキストやフォームのラベルなど、小さな文言のことです。この小さな要素が、実はコンバージョンに大きな影響を与えることがあります。
改善例を挙げておきます:
- 「送信」→「無料資料をダウンロード」
- 「登録」→「30日間無料で試す」
- 「お問い合わせ」→「専門家に相談する」
具体的で価値を感じられる表現に変更することで、クリック率やコンバージョン率が向上することがあります。
テスト→分析→改善のPDCAサイクル
ランディングページの最適化は、一度で完了するものではなく、継続的なプロセスです。
1. 計画(Plan):テスト仮説を立てる
2. 実行(Do):テストを実施する
3. 確認(Check):結果を分析する
4. 改善(Act):分析結果に基づいて改善する
このサイクルを繰り返すことで、徐々にランディングページのパフォーマンスを向上させることができます。
改善の優先順位は「インパクト×実現容易性」で決めると良いでしょう。大きな効果が期待でき、かつ実装が容易な改善から着手していくのが効率的です。
◾️ ランディングページの成果を測る指標とツール
ランディングページの効果を測定するためには、適切な指標(KPI)と分析ツールが必要です。
主要な指標(KPI)
コンバージョン率(CVR)
最も重要な指標であり、「訪問者のうち、何%が目的のアクションを完了したか」を示します。
コンバージョン率(%)= コンバージョン数 ÷ 訪問者数 × 100
例えば、1,000人の訪問者中50人が資料をダウンロードした場合、コンバージョン率は5%となります。
業界や商材によって「良い」とされるコンバージョン率は異なりますが、一般的にBtoCで2〜5%、BtoBで5〜10%程度とされています(業界や商材によって大きく異なります)。
離脱率(バウンスレート)
ページを訪れたユーザーのうち、他のページを見ることなく離脱した割合を示します。高い離脱率は、ランディングページが訪問者の期待に応えていない可能性を示唆します。
滞在時間
ユーザーがページにどれだけ長く滞在したかを示す指標です。長い滞在時間は、コンテンツへの関心の高さを示している可能性があります。
スクロール率
ページをどれだけスクロールしたかを示す指標です。重要な情報やCTAがページの下部にある場合、スクロール率が低いとそれらが見られていない可能性があります。
クリック率(CTR)
CTAボタンなど、特定の要素がクリックされた割合を示します。
クリック率(%)= クリック数 ÷ 表示回数 × 100
分析ツール
弊社では、分析ツールはGoogle社のGA4とサーチコンサール、ヒートマップはMicrosoft社のClarityを使用しています。
Google Analytics 4(GA4)
最も一般的なアクセス解析ツールです。訪問者数、流入経路、コンバージョン数など、基本的な指標を無料で測定できます。
GA4の主な機能:
• リアルタイム分析
• ユーザー属性・行動分析
• コンバージョントラッキング
• カスタムレポート作成
ヒートマップツール
ユーザーの行動を視覚的に把握するためのツールです。主なサービスとしては、Clarity、Hotjar、Crazy Egg、Mouseflowなどがあります。
A/Bテストツール
異なるバージョンのページを比較テストするためのツールです。Google Optimize(2023年終了)、Optimizely、VWO(Visual Website Optimizer)などがあります。
フォーム分析ツール
入力フォームでのユーザー行動を分析するためのツールです。どの項目で離脱が多いか、入力に時間がかかっている箇所はどこかなどを把握できます。
適切な分析ツールを活用することで、データに基づいた改善が可能になります。ただし、ツールを導入するだけでなく、定期的にデータを確認し、そこから得られた洞察を実際の改善に活かすことが重要です。
◾️ ランディングページ活用の成功事例
以下に、ランディングページの活用方法と改善の事例を紹介していきます。
社名、商品名は架空です。
BtoC事例:健康食品サブスクリプションサービスの場合
課題:
健康食品のサブスクリプションサービス「ヘルシーボックス(仮称)」は、Instagram広告からの流入は多いものの、申し込み率(コンバージョン率)が低迷していました。特に申し込みページまで進んでも、最終的に離脱するユーザーが多いという課題がありました。
改善策:
- ファーストビューのキャッチコピーを「健康的な食事を毎月お届け」から「忙しくても続く、管理栄養士監修の健康食習慣」に変更
- 「なぜヘルシーボックスが選ばれるのか」のセクションを追加し、他社との差別化ポイントを明確に
- 実際の利用者の写真付き体験談を掲載
- 申し込みフォームのステップを3段階から1段階に簡略化
- 「初回お試し半額」「いつでも解約OK」などの不安を払拭する要素を追加
結果:
これらの改善により、コンバージョン率が約3倍に向上。特に申し込みフォームの簡略化が大きく貢献し、フォーム到達後の完了率が42%から78%に向上しました。
成功の要因:
- ターゲット(忙しい30代女性)の課題に焦点を当てたメッセージング
- 信頼構築要素の強化
- 申し込みハードルの低減
- 明確な差別化ポイントの提示
BtoB事例:中小企業向けクラウド会計システムの場合
課題:
中小企業向けクラウド会計システム「カンタン経理(仮称)」は、リスティング広告からのランディングページへの流入はあるものの、無料トライアルの申し込みが伸び悩んでいました。特に、ページ滞在時間が短く、多くのユーザーがファーストビューだけで離脱している状況でした。
改善策:
- ファーストビューに「経理作業時間70%削減」という具体的な数字を入れたキャッチコピーを設置
- 抽象的だった製品説明を、実際の使用画面のスクリーンショットを用いて具体化
- 「導入企業インタビュー」セクションを追加し、実際の導入効果を数字で示す
- 「よくある質問」セクションで税理士との連携や既存システムからの移行に関する不安点を解消
- CTAボタンを「詳細を見る」から「2週間無料で試す」に変更し、複数箇所に配置
結果:
これらの改善により、ページ滞在時間が延長。無料トライアル申し込みのコンバージョン率も約3倍に向上しました。
成功の要因:
- 具体的な数字を用いた効果の可視化
- 実際の画面を見せることによる製品理解の促進
- 導入事例による信頼性の向上
- 想定される不安点の先回り解消
- 明確で魅力的なCTAの設置
これらの事例から分かるように、成功するランディングページには共通点があります。それは「ユーザーの立場に立ったコンテンツ設計」「信頼構築要素の充実」「行動障壁の低減」の3点です。自社のランディングページ改善にも、これらの視点を取り入れてみてください。
◾️ よくある失敗例とその改善法
逆に、ランディングページ制作において、よくある失敗パターンとその改善策を見ていきましょう。
失敗事例①:商品・サービスばかり語っている(顧客視点がない)
問題点:
「当社の製品は最新技術を採用しています」「高品質な素材を使用しています」など、自社の製品・サービスの特徴ばかりを語り、それがユーザーにとってどんな価値をもたらすのかが伝わっていない。
改善策:
「何ができるか(機能)」ではなく「何が解決できるか(ベネフィット)」を伝えましょう。
• ×「AI搭載の自動分析機能」
• ○「データ分析時間を80%削減し、意思決定のスピードが向上」
すべての機能説明に「だから何?」と問いかけ、ユーザーにとっての具体的なメリットを明確にしましょう。
失敗事例②:情報が多すぎる・構造が複雑すぎる
問題点:
一つのページに詰め込み過ぎて情報が整理されておらず、ユーザーが何を見れば良いのかわからない状態になっている。
改善策:
- 重要な情報は上部に配置(ファーストビューの最適化)
- 見出しや箇条書きを活用して構造を明確に
- 1つのセクションには1つのメッセージに絞る
- 余白を適切に取り、視覚的に整理する
- 不要な情報は思い切って削除する
情報は「階層化」して提供しましょう。最も重要なことはファーストビューに、詳細は下部に配置するなど、ユーザーが自然に情報を理解できる流れを作りましょう。
失敗事例③:CTAが目立たない・不明確
問題点:
ページ内でCTA(行動喚起)ボタンが埋もれていたり、何をすべきかが明確でなかったりして、ユーザーが次のアクションを起こせない。
改善策:
- CTAボタンは目立つ色・サイズで作成
- 背景とのコントラストを高く
- 具体的な行動を示す文言を使用(「送信」ではなく「無料資料をダウンロードする」など)
- 長いページでは複数箇所にCTAを配置
- ボタンの周りに余白を設け、視認性を向上
特に「今すぐ〜」「無料で〜」などの言葉を入れることで、クリック率が向上することが多いです。
失敗事例④:スマホ対応が不十分
問題点:
PCでは問題なく見えるが、スマホでは文字が小さすぎる、ボタンがタップしにくい、画像が大きすぎて読み込みが遅いなどの問題がある。
改善策:
- モバイルファーストで設計(PCではなくスマホを優先)
- タップしやすいボタンサイズ(最低44px×44px)
- 読みやすいフォントサイズ(最低16px)
- 画像の最適化で読み込み速度を改善
- 横スクロールが発生しないレイアウト
実際のスマートフォンで表示確認をすることが重要です。また、Google Search Consoleの「モバイル ユーザビリティ」レポートも参考になります。
失敗⑤:信頼性を示す要素が不足
問題点:
特に初めて訪れるユーザーにとって、そのサービスや企業が信頼できるかどうかは大きな判断材料。にもかかわらず、信頼性を示す要素が不足している。
改善策:
- 運営企業の情報を明記
- セキュリティバッジやプライバシーポリシーへのリンク
- 具体的な数字を示す(「3,000社が導入」「満足度98%」など)
- 顧客の声や事例(できれば写真付き)
- メディア掲載実績や受賞歴
これらの要素は、コンテンツの随所に散りばめるのが効果的です。特にファーストビューには、一目で信頼性を感じられる要素(企業ロゴや導入数など)を入れると良いでしょう。
失敗⑥:ページ表示速度が遅い
問題点:
ページの読み込みが遅く、ユーザーが離脱してしまう。特にモバイル環境では、3秒以上の読み込み時間でユーザーの半数以上が離脱するというデータもあります。
改善策:
- 画像の圧縮・最適化
- 不要なプラグインやスクリプトの削除
- キャッシュの活用
- CDN(コンテンツ配信ネットワーク)の利用
- サーバー応答時間の改善
Google PageSpeed Insightsなどのツールで、現状の表示速度とボトルネックを確認しましょう。
失敗⑦:フォームが長すぎる・複雑すぎる
問題点:
入力項目が多すぎたり、複雑な入力を求めたりすることで、ユーザーがフォーム入力を途中で諦めてしまう。
改善策:
- 本当に必要な項目だけに絞る(初期段階では名前とメールアドレスだけでも十分な場合も)
- 必須項目と任意項目を明確に区別
- 入力例や補足説明を添える
- エラー表示をわかりやすく
- 複数ステップに分ける場合は進捗状況を表示
入力項目を減らすと、コンバージョン率が大幅に向上することが多いです。特に初回のコンバージョンでは、必要最低限の情報だけを収集し、その後のステップで追加情報を求める方法が有効です。
◾️ ランディングページを成功に導くために
ここまで、ランディングページの基本から設計、最適化まで幅広く解説してきました。ここからは、実際に自社のランディングページを改善するための具体的なステップをご紹介します。
「自社に合ったランディングページ」を考えるために
ランディングページは、テンプレートをそのまま使うだけでは効果を発揮しません。以下のポイントを考慮して、自社ならではのランディングページを設計しましょう。
1)明確な目的の設定
このページで達成したいことは何か?(資料ダウンロード、問い合わせ、購入など)
目的に対する成功指標は何か?(コンバージョン率、申込数など)
2)ターゲットの明確化
- 誰に向けたページか?(年齢、性別、職業、役職、課題など)
- その人たちが抱える具体的な課題や悩みは何か?
- 競合他社ではなく自社を選ぶ理由は何か?
3)提供価値の言語化
- 自社のサービス・商品は、どのような課題を解決できるのか?
- それによってユーザーはどのようなベネフィットを得られるのか?
- それを最も簡潔に表現するとどうなるか?
これらを明確にすることで、「誰に」「何を」「どのように」伝えるべきかが見えてきます。
テンプレートでなく"自社ならではの構成"が大事
市販のテンプレートやフレームワークは参考にはなりますが、そのまま適用するのではなく、自社の状況に合わせてカスタマイズすることが重要です。
例えば:
- BtoBサービスであれば、導入事例や具体的なROI(投資対効果)の提示が重要
- BtoCサービスであれば、感情に訴えかける要素や使いやすさのアピールが効果的
- 高額商品であれば、不安を払拭する保証や詳細な説明が必要
- 低価格商品であれば、即決を促す限定感や手軽さを強調
自社の商品・サービスの特性や、ターゲットユーザーの意思決定プロセスを考慮して、最適な構成を考えましょう。
今すぐ見直せるチェックリスト
最後に、現在のランディングページを今すぐ見直すためのチェックリストをご紹介します。以下の項目をチェックして、改善点を洗い出してみてください。
ファーストビュー
- ヘッドラインは価値提案が明確か
- サブヘッドラインで補足説明ができているか
- CTAボタンは目立つか、文言は明確か
- 視覚的に魅力的か、ブランドイメージと一致しているか
コンテンツ全般
- ユーザーのメリットを中心に構成されているか
- 機能説明だけでなく、ベネフィットも伝えているか
- 情報は整理されていて読みやすいか
- 見出し、段落、箇条書きなどで構造化されているか
信頼性要素
- 社会的証明(導入企業、顧客の声など)は十分か
- 具体的な数字や実績を示しているか
- 保証や安心要素(返金保証、セキュリティなど)があるか
CTA(行動喚起)
- CTAは複数箇所にあるか
- ボタンは視認性が高いか
- 文言は具体的で魅力的か
- クリック後の流れは明確か
モバイル対応
- スマホで問題なく表示されるか
- タップしやすいサイズのボタンか
- 文字サイズは読みやすいか
- 読み込み速度は十分か
フォーム最適化
- 必要最低限の入力項目に絞られているか
- エラー表示はわかりやすいか
- プライバシーポリシーや個人情報の取り扱いは明記されているか
これらのチェックポイントを一つずつ確認し、改善することで、ランディングページのパフォーマンスを段階的に向上させることができます。
重要なのは、「完璧なランディングページを一度で作る」ことではなく、「継続的に改善していく」という姿勢です。テストと改善を繰り返すことで、少しずつですが確実に成果を上げていくことができます。
このチェックリスト(パワーポイント版)を差し上げますので、ご希望の方は記事の下部にある弊社問い合わせフォームからお問い合わせください。
ランディングページは単なるWebページではなく、ビジネス目標を達成するための重要な武器です。本記事を参考に、自社のランディングページを見直し、より効果的なマーケティング施策へとつなげていただければ幸いです。
この記事について以下の動画でも説明しています。参考にしてください。
このブログでは、マーケティングや営業に役立つ記事を掲載しています。 他の記事も読み、ビジネスの参考にしてください。
執筆者
家電メーカー、石油会社、大型車両メーカー、高機能フィルムメーカー、建築部品メーカーなどに、新規事業立ち上げ・ブランド構築のコンサルティングと、顧客視点の顧客文化にするマーケティング社員研修を提供。 2013年より2024年まで、関西学院大学 経営戦略研究科で教授を務める。
著書は「売れない問題 解決の公式」(日本経済新聞出版)など国内外で24冊。米国、台湾、香港など海外でも講演。テレビ、ラジオの出演や新聞・雑誌への寄稿も多数。YouTubeでも最新のマーケティング情報を発信中。 本名 児玉洋典
ランディングページについてもっと知りたい、デジタルマーケティングや営業に取り入れたい、新しいビジネスを軌道に乗せたい、など、
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