Marketing i's [マーケティングアイズ]

マーケティングはサイエンス(科学)に基づいたアート(芸術)である

BCG流戦略営業 ボストンコンサルティンググループ日本代表 杉田浩章氏著

法人営業BtoBの営業にマーケティングは必要なのか?という問いを多くいただくので、
参考に、と思いこの本を読んでみた。

日本の企業の多くは、企業間取引をする対法人向け(BtoB)のビジネス形態をとる。
製造業(ビジネスなのでB)であれば、中間流通業者(こちらもビジネスなのでやはりB)を通してエンドユーザーに、
モノを作らないITやソフトウエアの企業の場合、大半は企業向けの製品を扱い、
どちらも、顧客である企業に営業をかけていく。

日本企業の組織では、このように流通経路が複雑であり、その対応をすることを重視してきた背景がある。
その中で「営業部」がマーケティング活動の一部を行ってきたため、マーケティング部という組織を作る必要もなかった。

ところが、ITの進化や、市場のニーズの多様化などで、従来おこなってきた営業活動が、
「うまくいかなく」なってきた。

さらに、昨年来の新型コロナウイルスの感染問題があり、
「ちょっとそこまできたので立ち寄りました」というような、
従来の人間関係構築型の営業スタイルが通用しなくなってきた。

そこで今、「営業にもマーケティング」を取り入れるべきだ、
と考える企業が増えてきている背景には、このような理由がある。

この本の帯にあるように、「売れない現実を直視」しなければならない時代になった、と言える。

この本は、このような問題を、

  • 営業の最前線で何が起きているのか
  • なぜ営業は変われないのか
  • 企業の成功事例
  • 数値的、科学的アプローチとそのポイント
  • 改革を後戻りさせないノウハウ
  • リーダーシップ

という構成で書いている。

私も、というか弊社も顧客企業の中でカスタマイズした研修を提供する中で、いくつかの重要なポイントがある。
それは、

  • 真のマーケティングへの全社的な理解 と、
  • 社内への浸透

の2点だ。

マーケティング、と聞くと営業に長く携わってきた人たちの多くは、
ある種の拒否反応を起こす。
「今さら、調査とかしても」「うちの会社はBtoBだから広告とかいらないよ」「理屈よりもまず動くことだよ」
といった具合だ。

マーケティングは、調査や広告だけを指すのではなく、
収益を上げることができる計画を、様々な角度から、多くのツールを使って考え、
それを実践することなのだが、マーケティングを狭義で捉えている場合が多々ある。

そうなると、なかなか社内に浸透せず、やはり日本では営業だね、
となってしまうことになる。

このような事態を避け、営業にマーケティングの考え方を取り入れるには、
理にかなった説得力と、数値での見える化 が必須だ。

この2点に関して、この本ではかなり詳しく、また事例とともに書いている。
たとえば、営業活動の数字の見える化は、「成果」に焦点を当てすぎている、
「行動KPI」にもスポットライトを当てるべきだ、
などいう点は、多くの企業でみられる落とし穴だ。
売り上げを達成できないと、「申し訳ありません」「頑張ります」という精神論で終わってしまう。
なぜ、達成できなかったのか、を行動を分析して原因をみつけ、潰していかなければ、
いつまでも同じことの繰り返しになる。

このような考え方が、ボストンコンサルティンググループの方らしく、
コンセプト図と事例で説明されているのがいい。
その意味でも、腹落ちする内容が多い1冊だ。

マーケティングアイズ株式会社 代表取締役
関西学院大学 経営戦略研究科 教授

理央 周(りおう めぐる)

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