Marketing i's [マーケティングアイズ]

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カテゴリ:「営業」の記事

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デジタル時代の基礎知識 BtoBマーケティング 潜在リードから効率的に売上をつく新しいルール 竹内哲也氏 著 志水哲也氏監修


ここのところ、法人取引、企業間取引、すなわちBtoBの営業に、
どのようにマーケティングを取り入れればいいのか、という依頼が増えてきたので読んでみた。

もともと、マーケティングはBtoCの企業むけの考え方から始まっている。
なので、BtoB、法人営業、企業間取引のマーケティングについて、
まとめた考え方や理論フレームワーク等はあまりないために、
このような質問をいただくことが多い。

では、法人取引での営業において、マーケティングは必要ないのか?
というと、もちろんそんなことはない。

なぜなら、私が定義するマーケティングとは、
「売り込まなくても売れる」仕組みを作り、
顧客に価値を提供することなので、
営業活動にも当てはまる。

そもそも営業活動とは、誰に、何を、いつまでに、どうやって、提供するかという一連の流れ。
なので、まさにマーケティング活動そのものなのだ。

マーケティング活動は、大きく次の3つのステップを踏む:

  • 準備〜情報収集、分析、市場機会の発見、コンセプト決定
  • 計画〜誰に、何を、どうやって買ってもらうかによる、顧客獲得と維持の仕組み
  • 行動〜PDCAサイクルをいつどう回すか、成果をどう見える化・見せる化するか

法人営業においても、まったく同じプロセスを踏むのだが、
多くの場合、「売る製品やサービス」があらかじめ決まっているので、
計画を立てる段階で、営業担当者個人個人が、自分のもつ情報に「付加価値」をつけないと、
製品やサービスでの差別化になってしまい、ひいては、
値引きか、人間関係に頼らざるを得なくなる。

この本においては、上に書いた、準備、計画の段階を、
デジタル技術を使って、より効率的にやる手法について書かれている。

いわゆるデジタル・トランスフォーメーション(DX)。
私も自社のマーケティングにマーケティング・オートメーションや、
インバウンドマーケティングを入れているが、
こういった営業活動の一連の流れを、クラウドなどを含むITで、
どのように効率化できるか、という手法と、
その事例が書かれている。

その意味で、これからこのようなSaaSと呼ばれる、
クラウド上にあるソフトウエア・サービスを取り入れたい企業には、
役に立つ内容だ。

事業会社が取り入れる検討をする場合に気をつけたいのは、
マーケティングオートメーション(MA)などはあくまでツールであって、
その前に、市場機会がどこにあるのか、
正しい顧客はどんな顧客なのか、
自社の売り物は、その市場で勝てるのか、
という、マーケティング戦略をしっかりと立てなければ、
せっかくのツールも、宝の持ち腐れになってしまう。

この本は、ITを取り入れ営業を効率化したい企業で、
戦略が既に立ててある企業にとって、
具体的な事例をも含めて書かれているため、有益な一冊になる。
おすすめです。

マーケティングアイズ株式会社 代表取締役
関西学院大学 経営戦略研究科 教授

理央 周(りおう めぐる)

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BCG流戦略営業 ボストンコンサルティンググループ日本代表 杉田浩章氏著

法人営業BtoBの営業にマーケティングは必要なのか?という問いを多くいただくので、
参考に、と思いこの本を読んでみた。

日本の企業の多くは、企業間取引をする対法人向け(BtoB)のビジネス形態をとる。
製造業(ビジネスなのでB)であれば、中間流通業者(こちらもビジネスなのでやはりB)を通してエンドユーザーに、
モノを作らないITやソフトウエアの企業の場合、大半は企業向けの製品を扱い、
どちらも、顧客である企業に営業をかけていく。

日本企業の組織では、このように流通経路が複雑であり、その対応をすることを重視してきた背景がある。
その中で「営業部」がマーケティング活動の一部を行ってきたため、マーケティング部という組織を作る必要もなかった。

ところが、ITの進化や、市場のニーズの多様化などで、従来おこなってきた営業活動が、
「うまくいかなく」なってきた。

さらに、昨年来の新型コロナウイルスの感染問題があり、
「ちょっとそこまできたので立ち寄りました」というような、
従来の人間関係構築型の営業スタイルが通用しなくなってきた。

そこで今、「営業にもマーケティング」を取り入れるべきだ、
と考える企業が増えてきている背景には、このような理由がある。

この本の帯にあるように、「売れない現実を直視」しなければならない時代になった、と言える。

この本は、このような問題を、

  • 営業の最前線で何が起きているのか
  • なぜ営業は変われないのか
  • 企業の成功事例
  • 数値的、科学的アプローチとそのポイント
  • 改革を後戻りさせないノウハウ
  • リーダーシップ

という構成で書いている。

私も、というか弊社も顧客企業の中でカスタマイズした研修を提供する中で、いくつかの重要なポイントがある。
それは、

  • 真のマーケティングへの全社的な理解 と、
  • 社内への浸透

の2点だ。

マーケティング、と聞くと営業に長く携わってきた人たちの多くは、
ある種の拒否反応を起こす。
「今さら、調査とかしても」「うちの会社はBtoBだから広告とかいらないよ」「理屈よりもまず動くことだよ」
といった具合だ。

マーケティングは、調査や広告だけを指すのではなく、
収益を上げることができる計画を、様々な角度から、多くのツールを使って考え、
それを実践することなのだが、マーケティングを狭義で捉えている場合が多々ある。

そうなると、なかなか社内に浸透せず、やはり日本では営業だね、
となってしまうことになる。

このような事態を避け、営業にマーケティングの考え方を取り入れるには、
理にかなった説得力と、数値での見える化 が必須だ。

この2点に関して、この本ではかなり詳しく、また事例とともに書いている。
たとえば、営業活動の数字の見える化は、「成果」に焦点を当てすぎている、
「行動KPI」にもスポットライトを当てるべきだ、
などいう点は、多くの企業でみられる落とし穴だ。
売り上げを達成できないと、「申し訳ありません」「頑張ります」という精神論で終わってしまう。
なぜ、達成できなかったのか、を行動を分析して原因をみつけ、潰していかなければ、
いつまでも同じことの繰り返しになる。

このような考え方が、ボストンコンサルティンググループの方らしく、
コンセプト図と事例で説明されているのがいい。
その意味でも、腹落ちする内容が多い1冊だ。

マーケティングアイズ株式会社 代表取締役
関西学院大学 経営戦略研究科 教授

理央 周(りおう めぐる)

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営業はいらない 三戸政和氏著 コロナ禍の今、これから、の営業活動を見直す

営業はいらない、という刺激的なタイトルに惹かれて読んでみた。

マーケティングをなりわいとする意味において、私はよくドラッカーの、「ダイレクトセリングを不要にするのが、究極のマーケティングである」という言葉を引用する。

これは、営業部を減らすとか、営業マンを減らす、という意味ではなく、直接的な売り込みをしなくてもいいように、戦略を立て、広告で周知し、価格設定をし、販路をちゃんと決めて、

顧客とコミュニケーション取ることによって、
自然に売れるようにしていく。と言う意味に捉えている。

その意味でも、営業すなわちセリングは、できるだけしないほうがいい。

まして、このコロナ禍の今、「ちょっと近くまで来たので、寄っていいですか」といった、ドブ板営業が通用しない時代になっている。(私は、ドブ板営業を高く評価している。ドブ板営業が、不要という意味では無いことを、誤解せずに解釈していただきたい)

この本では、営業活動を分解し、特に営業活動の初期でやる、「顧客を探す、またマーケットのニーズから、ターゲット層を絞る、これらの準備をした上で営業する」という一連の流れを、AIやITでカバーできるという論旨で展開している。 

これは全くその通りで、営業活動にマーケティングの考え方を入れて、企業間取引をスムーズにさせようという点において、大いに共感する。

実際のところ、ここ数年で多くのBTOB企業間取引、
法人営業の企業が、マーケティングの重要性について、考え直していると言える。 

ところが、マーケティングは、一般的に消費者向け事業の考え方なので、BtoBの事業体向けのマーケティングのスタイルや仕組みは、それほど多くの学問的にも体系化されていない。

 したがって、理論やフレームワークも、BtoBで普遍的に使えるもの、という意味では、少ないのだ。

そのため、BtoB企業の多くの経営者や営業責任者は、「マーケティングが営業にも必要だが、
どこから手をつけていいかわからない」という悩み、ジレンマを抱えているのが現実だ。

この本では、大上段から、営業はいらなくなる、と主張している点も、ITでの効率化をしっかりと考えた上で、最終的に営業マンがどこに向かうのか、を明確に示しているため、これからの営業活動を考えていく上で、多いに参考にできるのだ。 

企業間取引での営業活動だけは、
うちの会社が一番だと自負がある、経営者、営業責任者が読むことによって、
「今の営業組織をどのように変えていけばいいのか、
将来目指すビジョンをどう社内に示すか」
を明確にしていく上で、参考になる一冊だ。

マーケティング プロデューサー
理央 周(りおう めぐる)

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大型商談を成約に導く SPIN営業術 営業をフレームワーク化 ニール・ラッカム著

BtoBでの対法人営業において、戦略的に営業をまとめていくアプローチは非常に重要だ。

一方で、営業は属人的である、営業は泥臭い活動が重要だ、営業マンは顧客のところに何度も行ってなんぼ...という精神論にとらわれている企業・組織が多いのも事実である。

私は、「生業を営む」と書く営業はとても重要だと痛感しているし、営業活動がなければビジネスは成り立たないので、営業活動や顧客への取り組みに根性が必要だということを否定するつもりは全くない。

しかし、少しだけロジカルに戦略的に、営業活動に行く前に準備をしていれば、商談を求める確率も上がる。

この本は、その点をこの本はその点を小型商談と大型商談とに分けて、大型商談を制約に導くために必要な4ステップについてまとめている。

スピンは、S、P、I、Nの略で、それぞれ、
シチュエーション、プロブレム、インプリケーション、ニードペイオフを示すと言う。

この順で、顧客の潜在的な課題を顕在化し、営業に役立てると言うのがこのスピン営業術の肝だ。

このフレームワークに準じて、とてもロジカルに事例とともに何をすべきかが明確に書かれている。

すべてのビジネスにおいて重要な営業活動に、このようなロジカルなフレームワークを当てはめていくと、暗黙知だった営業のアイディアが、見える化され形式知になり、それを貯めていくことで集合時に消化することができる。

その意味でもお勧めの1冊だ。

   

マーケティング プロデューサー
理央 周(りおう めぐる)

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営業活動前に準備すべきこと:売れる営業マンになるためのなぜか売れる営業の超思考

営業の研修をご依頼いただいている、薬品の卸業の企業さんが、

なぜか売れる 営業の超思考

を課題図書とし、営業マンの皆さんに気づきをアクションプランを書いていただき提出していただいた。

  • 顧客が何を求めているかを敏感に察知します
  • 最終的に行動しなければ意味がないく、自己満足に終わってしまうので行動します
  • 新規獲得に向けて拡張訪問に力を入れます
  • 買い手側の目線で考え、行動します
  • 行動を習慣化します
  • 打開策は顧客を知ることだと気づきました
  • 断られた理由を必ず聞き出します
  • 見せる化をしていきます

という、気付きとアクション計画をいただいた。

まず、この本で言いたかったのは、営業活動上のテクニックではない。
マーケティング、すなわち顧客の期待以上のものをどうやって提供するのか、
という考え方を営業活動に当てはめている点である。


したがって、営業所のドアを一歩出る前に何をすべきなのか?
その準備をすれば、営業活動の何が変わるのか?
変わったことが成果を生み出すのはなぜか?

を書いているのだ。


これらの感想と気づき、そして自分が何をすべきなのか?というアクションプランには、
ボク自身が書き読み取って欲しかったことが網羅されている。

著者としては最もうれしく光栄なことなのだ。

マーケティング コンサルタント 理央 周

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